ルノー トゥインゴ
パリっぽいミニ・ファッションショーで3代目をアピール

 昨年の東京モーターショーで姿を見せたルノーのNEWトゥインゴが正式に日本デビューした。ただし、販売は9月15日からである。だからというわけでもないだろうけど、いま話題の元モデル&オネエタレントのIVANを迎えて簡単なファッションショー仕立てでパリ風な雰囲気を醸し出しながら、トゥインゴを紹介した。この種の出しものとしては嫌味がなく好感が持てた。
 さてトゥインゴ。今回で3代目に当たる。1993年にデビューした初代はユニークなスタイル(ホンダのトゥデイに似ているとも言われた)で注目を集めたが、日本での販売台数はあまりふるわなかった。2代目はちょっと時代に媚びた感じがあった。スタイルはともかく、初代トゥインゴの大きな弱点はミッションだろう。2ペダルMTは日本ではやはり違和感が大きかった。
 3代目の特徴はメルセデス・スマートとの共同開発であること。先に発表されたスマートはRR(後輪駆動)だから、これまでFFだったトゥインゴも当然RRになる。また、トゥインゴとしては初めての5ドア車でもある。
 エンジンは897ccの直3DOHCターボ(90馬力&135Nm)。燃費は21.7㎞/ℓ。悪くない。このエンジンは、ラゲッジスペースを確保するために、リアに49度傾けて搭載されている。
 トランスミッションはこれもスマートと同じ6速EDC(エフィシェント・デュアル・クラッチ)、基本的にはVWのDSGと同じだが、スマートに試乗した経験で言うと、変速時のショックはゼロではない。もっともこれはドライバーのウデにもよる。MT好きのRJC会員の一人がスマートを実にスムーズにドライブしていたのを思い出す。
 トゥインゴにはもうひとつのエンジンが用意されている。それは、サンクS用だ。スマートと同じ998cc(71馬力&91Nm)版である。しかも5速MT。でもこれは50台の限定モデル。もう1台の限定モデル(90馬力+6速EDC)とともに即日予約完売した。でもこれだけ人気があるなら、ルノーも再販を考えるのではないか。ビビッちゃいけない。
 先に限定車のことに触れるのも変かも。カタログモデルの話に戻ろう。
 この発表会でも狭いステージ上を2台のトゥインゴが何度も周回していたが、これはおそらく小回り性の良さをアピールするためでもあると思う。最小回転半径は4.3m。これにはRR化によってステアリングスペースがふえ、前輪の切れ角が30度から45度になったことも大きい。全幅は従来モデル程度だが、全長は100㎜短くなっている。その半面、室内長は延び、後席のニ―ルームはクラス最高の136mmもある。これには従来モデルより125mm長くなったホイールベースも貢献している。
 インパネはフランスらしくユニークだ。デザインや色遣いがユニークなのは驚かないが、最近はクオリティも追い付いてきた。実用車といえども質感は無視できない。ルノーがサンクターボのイメージを追ったと言う外観だが、個人的にはスズキのイグニスを少し連想した。
 価格はインテンス189万円、インテンス・キャンバストップ(電動)が199万円。シティ・コンパクトとしては気になる存在である。

報告:神谷龍彦
写真:佐久間健&ルノー・ジャポン

センターがIVAN。おねえタレントらしく女性用と男性用の両方のファッションを試着。派手すぎず地味すぎずで好感。

これがキャンバストップのインテンス。フツーのインテンスの10万円高の199万円。 200万円未満に抑えたのが憎い。

この会場はけっして広くはない。そこを2台のトゥインゴが周回する。確かに小回り性の良さを印象付けられる。

この台形フォルムはサンクターボからの継承。RRらしくタイヤは前=165/55R15、後=185/60R15とリアが太い。

スポーティなハンドルとメーター。多くのラインをうまくまとめているが、タコメーターくらいは欲しかった。

ボディカラーにあわせて、インテリアにもブルー、レッド、ブランのカラーアクセントを配する。なかなか巧妙!


最終更新日:2016/07/25