人とくるまのテクノロジー展2024 横浜における自動車メーカー

飯塚 昭三

 「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA」が5月22〜24日の3日間、パシフィコ横浜で開催された。ここではとりあえず自動車メーカー出展について簡単ながら紹介をする。今年から展示ホールに「ノース」が加えられ、より広いスペースとなった。乗用車メーカーはこのノースでの展示であった。なお、人テク展はこの後2024年7月17日〜 19日の 3日間、名古屋展が開催される。

●スズキ
 スズキは昨年のジャパンモビリティーショーでもアピールしたインドでの牛糞によるバイオメタンガスを利用についての実証事業を紹介。10頭の1日の牛糞でクルマ1台1日の燃料になるとしている。また、バイク用として水素エンジンの開発についても紹介していた。次世代四脚モビリティ「MOQBA」は、その名前からしても遊び心のある技術展示だ。

●スバル
 安全に関して先進的なスバルはレイバックをモデルに安全性をアピール。従来アイサイトをより進化させているとともに衝突安全ボディ、歩行者保護のエアバッグなどについて紹介。
 一方でスーパー耐久レースにCN燃料で参戦していることをアピール。2000卅った後のそのままのピストン、コンロッドなどを展示していた。なお、スバルには専任のテストドライバーは置かず、開発エンジニア自身がテストドライブ、「乗って」「感じて」「考えて」「物理にする」としている。その能力を向上させ、よりよいクルマ作りにつなげるため「スバルドライビングアカデミー」を設け、スキルアップを図っているという。

●トヨタ
 展示車両としてはクラウンFCEVとクラウンHEVの2車のカットモデルで、その説明がメインだが、車両の持つストレージによる給電機能が停電時に役立ったり屋外のイベントでの電気需要に応えたりできることをアピールしていた。また、カーボンニュートラル(CN)やリサイクルへの取り組みも紹介。クラウンHEVのマルチステージハイブリッドは4速トランスミッションを追加し、仮想の10段変速にしているとのこと。説明員に質問したが、THS(トヨタハイブリッドシステム)の実際について理解されていないようで、明確な説明は頂けなかった。私なりに理解はしたが、これについては長くなるので別の機会に解説してみたい。

●日産
 日産は「e-4ORCE」がメインだ。これは「電動駆動四輪制御技術」で、前後左右の4輪を制御することでいかにスムーズに加減速できるか、コーナリングでもスムーズにコーナリングできるかを、模擬の車体と映像で解説していた。実車としては次世代プロパイロット搭載のスカイラインの展示があった。
 また、次世代パワートレイン「X-in-1」としてEV用の「3-in-1」とe-POWER用の「5-in-1」のユニットを説明していた。いわゆる「e-Axle」である。その他では、エネルギー密度1000Wh/Lの次世代バッテリーのパネル展示。全固体バッテリーだが日産らしくラミネートタイプだ。2028年度には新型EVに搭載するという。

●ホンダ
 目玉はやはり近く発売になる燃料電池車「CR-V e-FCEV」である。また、搭載される燃料電池「e:FUEL CELL」の展示もある。とにかく2035年にすべて電動車両とするとしているホンダは、とりわけFC(燃料電池)に力を入れている。コスト面を含めて技術的にかなりの確信を持って臨んでいるように見受けられる。FCについてはいすゞと商用トラックへの搭載で提携している。また、モバイルパワーパックや外部への給電器「POWER EXPORTER E6000」も展示。安全面ではホンダセンシングの紹介解説やリサイクルへの取り組みもあった。

●マツダ
 MX-30 Rotary-EVを展示、その価値の高さをアピールするとともに、それに搭載した新型8Cロータリーエンジンを従来の13Bと比較展示し、ロータリーエンジンの可能性についても解説していた。エンジンにこだわってきたマツダだが、2030年には全電動化、その内BEV比率は25〜40%を想定しているという。また35年には工場、事業所のCNの実現、その中間目標として30年には13年度比で69%CO2削減を目指すとしている。また、「Well to Wheel」と「LCA(ライフサイクルアセスメント)」の視点もしっかり持っていることを表示していた。

●三菱
 三菱はいま売りのトライトンだ。動力性能と環境性能を追求した新開発2.4Lクリーンディーゼルエンジンの搭載とともに、高剛性のラダーフレームの採用をアピール。また、三菱自慢のオールホイールコントロール(AYC)やスーパーセレクト4WD−兇皺辰┐動汰汗、信頼性、快適性を強調していた。「技術、アイデアを募集しています」の標語が掲げられていたが、これはこの展示会が各種サプライヤー向けのものであり、その技術者等からの「提案を待っていますよ」ということだという。


スズキは圧縮バイオメタンガス(CBG)車を展示して、インドでの牛糞からバイオガス燃料を取り出す事業を紹介

後部に積まれたメタンガスタンク。バイオなのでもちろんカーボンニュートラル燃料というわけだ

バイオ燃料で耐久レースを走っているスバルは2000卅った後のBRZのピストン、コンロッド、ピストンピン、コンロッドメタルを展示。ピストンクラウンにはカーボンがうっすらつき、メタルなども消耗のあとが見て取れる

スバルは専任の開発ドライバーはおらず、開発エンジニア自身がドライビングを行う。そのためのスキルアップ組織を設けている

トヨタはクラウンのHEVとFCEVのカットモデル2車を展示。これはHEVの前部

クラウンのマルチステージハイブリッドの説明図。4速TMを追加して仮想の10段変速をするというもの

日産は「e-4ORCE」をアピール。模擬の車体と映像で前後左右の4輪をいかに制御して操安性を高めているかを説明

EVはモーター、減速機、インバーターの3-in-1、e-POWERはそれを共用しつつ発電機と増速機が付いて5-in-1としている。EVのほうが「単純」な機構といえる

ホンダは今夏に発売予定の「CR-V e-FCEV」とともに搭載される大幅進化した燃料電池そのものを展示

「MX-30 Rotary-EV」用の8C型ロータリーエンジンと従来の13B型のカットモデルを並べて展示

13Bと比較して8Cがいかに内燃機関として進化したかを表にて説明

三菱トライトンは新開発2.4Lクリーンディーゼルエンジンと高剛性ラダーフレームが自慢。そこから生まれる安全性、信頼性、快適性をアピール


最終更新日:2024/06/23