【新車&NEWS】光岡 バディ MITSUOKA Buddy
光岡初のSUV。ベースはRAV4

 2018年に光岡自動車はロックスターというオープンカーを発売した。ベースはマツダのロードスターで、見た目はコルベットのC2にそっくりだ。200台の限定発売だったが、翌2019年の2月には見事に完売した。開発者はビクビクモノだったらしい。でもよく売れた。
 光岡自動車はこれで大いに自信を持ったらしい。その延長線上でバディ(Buddy)を発表した(開発はロックスターの結果が出る前に始まっていた)。ただし、バディはロックスターのような限定車ではなくカタログモデルである。とはいうものの生産能力には限界がある。
 「『ゼロワン』と『オロチ』は今後も造り続けてゆきたい」と光岡社長は時節柄プラスチックのフェイスシールドの奥で静かに語る。というような事情もあり、最初の納車は来年の6月になる。この年の販売予定台数は50台だ。再来年からは年間150台になるという。

光岡を知らなかった人にも

 写真からお分かりいただけると思うが、とってもアメリカンだ。それも70〜80年代の。このあたりはロックスターに通じるものがある。ただし、片やスポーツカー、片やSUV。目指すところははっきり分かれている。
 ベースはトヨタのRAV4。いい選択だ。RAV4は乗り心地も含めてとてもいい仕上がりのモデルだ。エンジンもRAV4に準ずる。つまり2リットル・ガソリン(126kW)と2.5リットル・ハイブリッド(131kW)の2種類。駆動方式は4WDと2WDが用意される。
 では、なぜ今SUVなのか。背景には世界的なSUVブームもある。機能性や利便性へ要求もある。それだけでなく「これまでの光岡はブランドイメージ重視のためフォーマルでおシャレにこだわる傾向が強かった。そのイメージを変えてTシャツにジーンズでも乗りこなせる、これまで光岡を知らなかった人にも興味を持ってもらえるモデルにしたかった」と開発陣は言う。

樹脂を多用して高級感も演出

 全体の印象としてはこれまでの光岡車と異なり“カクカク”している。とくに全身全霊をささげているのがフロントだ。細かく見れば随所に新デザインが施されているのだが、やはりこの顔が古き楽しきアメリカ風イメージを固定する。
 素材も変えた。これまであまり使われていなかったABS(アクリロニトリル・ブタジエン・ポリスチレン)やPP(ポリプロピレン)、FRP(繊維強化プラスチック)を、リアゲート、前後バンパー、フェンダーなどに採用している。その目的はもちろん軽量化もあるが、表面のツヤ、エッジの付けやすさ、生産効率の良さなどもある。車両本体価格(消費税込み)は469万7000円(20ST FF)〜589万9300円(HYBRID DX)。先行予約は11月26日から。
ミツオカコール:0120-65-0022。
ホームページ:https://www.mitsuoka-motor.com/
 「私が生きているうちにできるかどうかはともかく、日本車の良さ、サイズ感を活かした本当の意味で光岡オリジナルを創ってゆきたい」。最後にマイクを握った光岡社長はそう語った。富山の地に、God Bless You !

報告:神谷龍彦
撮影:佐久間 健

何といってもこの顔が最大のアピールポイント。懐かしいと思うか、新鮮と感じるか。

フロントグリルやバンパーにABSやPPを採用。表面が美しくて加工がラク。

バンパーはABS、リアフェイスはPP、リアゲートカバーはFRP。

全長はRAV4より約120mm長いが、全幅はほぼ同じ。日本ではやや大きめかも。

バディとは仲間というような意味だが同時に特殊感も。男女間では使わない方がいい。

フロントグリル中央に光岡エンブレム。グリルデザインもよく見ると凝っている。


最終更新日:2020/12/19