CEATEC 2019
Society 5.0で未来の社会を提言。建設会社の出展が増えた

 「一番の見どころはブースの並べ方です。これまでとは異なり、3つの館を通して、トータルソリューション、Society 5.0 TOWN、デバイス&テクノロジーに分けました。つまり横に進めば(縦ともいえる)3種類のテーマを3館通して見られるのです。」
 このイベントのエグゼクティブ・プロデューサーの鹿野清氏はこう語った。
 このイベントとは幕張メッセで行われているCEATEC(シーテック)だ。最初に開かれたのは2000年、この時はデジタル家電見本市の要素が強かったが、2016年に脱・家電見本市を宣言して「IoT」との“共創“を目指した。20回目の節目となる今年のテーマは「つながる社会、共創する未来」。開催は18日(金)まで。
 CEATEC 2019には、IT・エレクトロニクスだけでなく、金融、旅行、玩具、住宅、工作機械、建築、通信、ヘルスケアなど、幅広い業種・産業の787社/団体(昨年比+8%)が集まった。国内だけでなく海外出展者も増えた。パビリオン初設置となるスイス、ロシアをはじめ、米国、中国、台湾、インドなど、計250社/団体(昨年比21.4%)に。
 企画展示は、2030年の未来の町を構築する「Society 5.0 TOWN」と、国内外のスタートアップ企業および海外諸機関のパビリオンを複合的に展開する「Co-Creation PARK」の2つを展開する。さらに「スマートライフ」や「モビリティ」の特別企画を実施するなどして、未来の社会や暮らしを「見て」「聴いて」「感じて」「考えて」を体感する仕組みになっている。
 もっとも注目すべきは中央ラインのSociety 5.0 TOWNだ。清水建設、大成建設、竹中工務店、大林組、戸田建設といった大手の建設会社が数多く出展していた。一見、電子技術とは関係なさそうだが……。なぜか? それは単なるビルづくりだけでなく町づくりを企画しているからだ。だからこそ、ファイナンシャル会社や電力会社、ガス会社なども軒を連ねていたのだろう。
 もちろんクルマ関係の技術にも見るべきものは多くあった。他の見本市などと大きく異なるのは出展者側からの呼び込みが多いことだ。このあたり最近の自動車メーカーのプレス対応とは異なる。広報やエンジニアの熱心さが大いに感じられた。
 プレスが展示会場に入れたのは午後2時。その前に自動運転の小型バスの実証実験があった。スポンサーはTDK。このイベント期間中は実際に公道を走る。当然ぼくたちにも同乗の機会があるだろうと待っていたが結局乗れたのは一部の海外ジャーナリストだけだった。その理由は「不公平になってもいけませんから」というものだったが、これってどうなのかなあ。

報告:神谷龍彦

大林組からの提案。一般公開前で会場はドタバタ。それも良きかな。

竹中工務店は明るくて快適な新しい住居の模型とその建築方法を提示。

鹿野エグゼクティブ・プロデューサー。自動運転セレモニーの挨拶も。

自動運転バス。市街地コースを15分ほどかけて走る。乗れなかったのが残念。


最終更新日:2019/10/17