BMW 3シリーズ・セダン&2シリーズ・アクティブツアラー

プラグイン・ハイブリッド・モデル2車種を同時発表

2台の紹介は岡田祐治プロダクト・マネジャーが担当。この2台の登場で、BMWのPHEVは4車種になった。

左側が4気筒2リッターエンジン。その右がモーター。その駆動領域は3種類スイッチで選択可能(330e)。 

リチウムイオン・バッテリーはリアに搭載。ラゲッジルームは470リッターとPHEVとしては多め(330e)。


225xeは前輪を1.5リッターターボで駆動、後輪はモーターで駆動する、オンデマンド式4輪駆動車。

FF化とバッテリー搭載方法の工夫により400〜1350リッターの広いラゲッジスペースを確保した(225xe)。

充電はここからする。急速充電はできないが、3時間でフル充電。クロンシュナーブル社長が実演した。


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 1月26日、BMWは二つのプラグイン・ハイブリッド・ビークル(PHEV)を同時に発表した。ひとつは最量販モデルの3シリーズ・セダンに追加され330e、もうひとつはBMWとしては初のFF(前輪駆動方式)である2シリーズ・ミニバンに加わった225xeだ。ちなみに、330eはサン・サン・マル・イー、225xeはニー・ニー・ゴ・エックス・イーと読む。Xは4WDを表す。今回の追加によって、両シリーズともにガソリン、ディーゼル、そしてハイブリッドの3タイプの動力源を持つことになった。
 メルセデスやVW、アウディなど、BMWに限らず欧州メーカーの多くが最近ことさらプラグイン・ハイブリッドに熱心な理由は「2021年規制」にある。これは新車1台あたりの企業別平均CO2排出量を95g/km以下にするというもの。達成しなければ罰金を科される。従来のハイブリッドもエンジンとモーターを使うが、プラグイン・ハイブリッドは従来よりも大きな容量のバッテリーを積み、近距離はEV(電気自動車)として走り、遠距離はガソリンとモーターを併用する。このあたりがいわゆるハイブリッドとは微妙に違う。
 実際、330eは最大で36.8km、220xeは42.4kmまでEV走行、つまりゼロエミッションで走れる。日本の都市の平均実走距離は25〜30kmと言われるからデータ上は十分だ。それ以上の距離を走る時は通常のハイブリッド・システムが対応する。
 搭載されるエンジンとモーターは、330eが2リッター4気筒ターボ(184ps)+モーター(88ps)、225xeは1.5リッター3気筒ターボ(136ps)+モーター(88ps)。トランスミッションは330eが8速AT、225xeが6速AT。
 低回転時に強いモーターのおかげもあって、0→100km/h加速は330eが6.1秒、225xeが6.7秒。スポーティでこそあれ、間違っても鈍足ではない。速さだけではスポーティ云々は語れないが、BMWのキャッチフレーズ「駆け抜ける喜び」はFFになっても、PHEVになっても継承されている。なお、急速充電はできないが、フル充電にかかるのは3時間。実用上問題はなさそうだ。
 価格は330eが554万円〜599万円、225xeが488万円〜509万円。かなり戦略的な価格設定だ。また、本年度中に7シリーズにもハイブリッドが導入される予定だ。ディーゼル、ハイブリッド、燃料電池など……三つ巴、四つ巴の環境対策戦争がいよいよ本格化する。

報告:神谷龍彦
写真:植木 豊/BMW

 


最終更新日:2016/01/30