トヨタ マークXジオ

4気筒2.4リッター搭載車がベストチョイスだ!!

渡辺 陽一郎



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マークXジオのプラットフォームは、ブレイドの拡大版と考えれば良い。フロント側がストラット、リヤ側がダブルウイッシュボーンというサスペンション形式も同じだ。

 つまり前輪駆動だが、車名には「マークX」の名称が付く。その背景にあるのが「サルーンズ・フューチャー」のコンセプトだ。機能としては「4+フリー」のリヤキャビンが特徴となる。車内の後端には3列目のシートが装着され、これを使えばミニバンモード。畳んで荷室にアレンジすればワゴンモード。さらに専用のボードで仕切ってフロント&2列目シートのキャビンと分離させればセダンモードになる。あくまでも軸足はセダンに置かれ、トランクルームに多人数乗車も含めて多機能を持たせたと考えれば良い。これが将来のサルーンの有り方というわけだ。  もっとも、これはタテマエ的な話で、ジオを設定した一番の理由はセダンたるマークXの販売低迷にある。今日のセダン市場は縮小傾向にあり、そこを踏まえればマークXセダンの売れ行きは立派だ。しかし、トヨタとしては不満で、マークXの販売テコ入れが急務になっていた。

 そこにはディーラーとの関係も絡む。トヨタ系ディーラーは、大半がメーカーの資本に頼らない地場系だ。立場が対等だからメーカーに向けた発言力も強く、マークXが売れないままではトヨペット店との関係が難しくなる。そこでマークXに売れ筋のミニバン的な機能を付加したマークXジオを設定した。

 マークXを名乗るだけに、日本自動車販売協会連合会が発表する登録台数のデータを見ても、ジオは「マークX」に統合される。トヨペット店としては売れ行きが好転し、マークXの販売実績も高まるわけだ。

 そのような事情からマークXジオは内外装をラグジュアリーに仕上げ、セダンのマークXに通じる雰囲気を身に付けた。駆動方式を気にしなければ、マークXとして十分に通用しそうだ。
 しかし、補助席になる3列目はともかく、2列目の居住性はもう少し向上して欲しい。格納やスライドの機能を設けたために、座面のボリューム感が不足した。3列シートを備えることからミニバンと解釈すれば不満はないが、マークXジオの場合、Lサイズボディに割に3列目が窮屈。機能的にミニバンとは認めにくい面もあり、その分だけ2列目にはセダンと変わらない優れた座り心地が求められる。2列目には手を加える必要があると思う。

 一方、エンジンは直列4気筒の2400ccとV型6気筒の3500ccを選べる。動力性能は、車両重量がノア&ヴォクシーなどと同程度に収まることから2400ccでも十分だ。

 乗り心地は、16インチタイヤを装着した240Fがベスト。コーナリングの最中にタイヤのヨジレを感じることもあるが、後輪が踏ん張って挙動を乱しにくい。走行安定性とのバランスも取れている。それが19インチタイヤを装着した240Gになると若干の粗さを感じるようになり、V6エンジンを積んだ350Gとなれば、危険回避などの際にクルマの動きが過敏に感じられてしまう。

 結局のところ、ベストグレードは240Fだ。ただし、このグレードだと2列目のシートがラグジュアリー感覚のセパレートタイプにならず、ベンチタイプのみ。座り心地のボリューム感はセパレートタイプよりも低下する。240Fでもセパレートタイプの2列目シートをメーカーオプションによって選択できると良いだろう。

<渡辺 陽一郎> 最終更新:2010/04/23