PEUGEOT 207

姿、性能、全てのバランスが良いプジョー207



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 8年間で580万台を売った人気者206の後継モデルが、今春日本市場登場の207である。登場後、プジョージャポンの作戦は迅速で、ベースのクーペ、ガラス天井が明るいシエロ、スポーティーなGT、元気印のGTI、そして電動トップのCCと、それこそ矢継ぎ早の速攻だった。  短期間でこれほどの車種充実は輸入車では滅多にないこと。で、日本市場への意気込みも判ろうというもの。

 さて、外車ユーザーとは大別して二通り。ブランド志向のドイツ物愛好家、対してプジョー、シトロエンなどの愛好家は個性派である。 という目で見れば、プジョーは個性の塊みたいな作品だ。その第一はプロポーション。シンボルマークがライオンなのに、釣り上がった目はどう見ても猫。もっとも伝統のしなやか足を“猫足”と呼ぶから、新207は全身猫に変身したのかもしれない。顔を見れば「笑うセールスマン」だが悪口ではない。いずれにしても前後左右、どこから見ても個性あふれる姿は魅力いっぱいだ。 全幅1750mmは日本の環境では広すぎの感がなくもないが、ロングホイールベースと相まって、ゆとりの居住空間を稼いでいる。すっきりとモダンなインテリア、レトロなメーターは視認性良好。

 定評フランス流シートは少し硬め仕立てだが、206より高級感が向上している。  エンジンは生まれがドイツで賛否両論。BMWのバルブトロニクでミニ&クーパーと兄弟だから性能では第一級。が、純血フランスにこだわる人にはマイナス要因。 姿に次いで、第二の楽しさは走り。頑丈プラットフォームとワイドトレッドのコンビで生まれる、スポーティーな走りの味は絶品である。特に強い横Gを感じながらのワインディングが楽しい。  しっかりとした足は、高速では満足だが、市街地ではも少しソフトライドが好ましいと思う。いずれにしても、走りに関してはライバル達と比べて、トップレベルにあること疑いなしだ。

最終更新:2010/04/23