アウディ A1 スポーツバック(2)

週末と平日、ふたつの顔を持つハッチバック

足はややかため。でも不快感はない。連続するコーナーや高速道路などではいっそう頼もしさと愛着が増すだろう。

オート、ダイナミックなど4つのモード切り替えで乗り味が大きく変わる。小さく見えるが全幅は1700?を超える。

「ドライブセレクト」はセンターのモニター(ナビ画面と切り替え)に映し出される。割と切り替えが速い。


いまやすっかりおなじみになったバーチャルメーター。メーターの大小を変えられるほかにナビも中央に表示できる。

リアシートは広いとは言えない。4枚ドアのコンパクトクーペと割り切れば不満なし。年を重ねたご夫婦にもピッタリ?

従来からある最高出力110kW(150PS)。吹け上がり感がとても心地よい。新しい1ℓ3気筒(70kW)の方も試しかった。


※画像クリックで拡大表示します。

 職業柄、四輪駆動車やSUVに乗ることが多いのだが、このたび都会のど真ん中で「アウディA1スポーツバック35 TFSI S Line」のステアリングを握る機会を頂いた。黄色く色づいた銀杏並木をスタートし、迎賓館から赤坂御所へ、約束の時間ギリギリまで周回する。それは操る楽しさ、スマートな存在が僕の心を魅了してくれたからだ。

走りに奥行きを与える「アウディ ドライブセレクト」

 アウディA1スポーツバックには、最高出力:70kW(95PS)/最大トルク:175Nm(17.8kgm)を発生する「1.0ℓ TFSI」3気筒エンジンと、最高出力:110kW(150PS)/最大トルク:250Nm(25.5kgm)を誇る「1.5ℓ TFSI」二種類のエンジンが存在する。そして今回は、後者の「1.5ℓ TFSI」4気筒エンジンを搭載したアウディA1スポーツバック35TFSI S Lineを試乗した。
 都心とはいえ、港区界隈はアップダウンが激しい。「○○坂」と書かれた道標を至る所で目にする。歩けば息切れ必至といった具合なのだが、このS Line(車両重量:1120kg)は十分なトルク感とパワーを発揮。さらに連続するカーブやコーナーでは、適度な硬さのサスペンションが走りにコシを与えてくれる。
 そして走りに、奥行きを与えてくれるのがS Lineに標準装備された「アウディ ドライブセレクト」だ。路面状況に応じてコンピューターが適正値をはじき出す「オート」、スポーティーな走りを可能にする「ダイナミック」、より自分仕様の乗り味に設定のできる「インディビジュアル」、そして燃費効率を優先した「エフィシェンシー」の4つのモードを、任意に設定することが出来る。
 サスペンションへの信頼感が高まったところで、「ダイナミック」モードを選択しアクセルを踏み込んでいくと、このS Lineをグイグイと引っ張り上げてくれた。短い坂とはいえアップダウンの続くこの界隈にあって、その走りは軽快そのもの。安心感をもたらすサスペンションと「ダイナミック」モード組み合わせは、山間のワインディングを愉しませてくれるだろう!と、つい想像してしまった。

4枚ドアの贅沢な2シーターとしてオススメ

 コンパクトなボディーサイズ(全長4045×全幅1740×全高1 35mm)とキビキビとした走りを提供するサスペンション、さらには、買い物袋をただ降ろすといった具合(高さ)で十分な容量を誇る荷室…は、非力な女性の日常の脚として、おおいに貢献してくれることだろう。
 そして週末は、ステアリングをご主人にお譲りしたい。「アウディ ドライブセレクト」が、たとえば箱根や伊豆、神戸や有馬温泉への快適な大人の旅を演出してくれるからだ。
 どことなく大人のクールさを漂わせる「アウディA1スポーツバック35 TFSI S Line」。4枚ドアを持つ贅沢なツーシーターとして、年を重ねたご夫婦にこそオススメしたい一台だ。

報告:水島 仁
撮影:佐久間 健

最終更新:2020/12/19