ホンダ フィット(2)

室内の広さそのままに心地よさをアップ

「ホーム」。もっともファミリーユースに適したグレード。テーマはコンフォートライフ。クロスターなどと違いグリルがない。

1.3リットル4気筒。e-HEVに乗ってしまうとやや非力に感じるが、街乗りにはこれで十分。大人向けのコンパクトカーだ。

エンジン車とe-HEV車。グレードは5タイプ、すべてにFFと4WDを設定。ちょっと異端はクロスター、正統はこのホームかな。


フィットの荷室の広さは他を圧倒する。容量は427リットル。ライバルのノートは330リットル。開口部地面からの位置も低い。

多少そっけない感じを受けるほど良く整理されている。視界も広いしピラーもあまり邪魔にならない。ストレスの少ない前席だ。

1.3リットル4気筒ガソリン。最高出力は72kW、最大トルクは118Nm。このあたりがフィットらしいと言えるかもしれない。


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 初代「フィット」が誕生したのは、2001年のこと、コンパクトながら広い室内と経済性の高さなどが高い評価を得て、それまでのホンダの主力だった大衆車のシビックに変わる存在までに成長した。その後2007年には初代の良さをそのまま引き継いだ2代目となり、2013年には、内外装のデザインを大きく変更して3代目となっている。歴代のモデルも、優れた初代の設計思想を引き継いで、ホンダの小型車部門では国内トップセールスモデルとして高い支持を得ている。
 4代目となる今回のモデルは、コンパクトカー「FIT」ならではの優れた室内空間などはそのままに、「心地よさ」を新たな価値としてとらえ、さらに独自先進技術を盛り込んで開発されたという。

座り心地、視界、利便性、乗り心地──4つの心地よさ

 (1)長距離ドライブにも疲れにくく、“座り心地”を実現するために、前席には、骨盤から腰椎までを樹脂製マットで支える「ボディスタビライジングシート」をホンダで初めて採用し、後席には、厚みのあるパッドを採用して乗り心地を向上している。
 (2)衝突安全性を確保しながら、十分な視界確保のために、従来に比べて半分以下の厚さのフロントピラーを開発。さらにインストルメントパネルを水平基調で直線的なデザインでまとめることで広い視界を確保しながら、“心地よい視界”を実現した。
 (3)“使い心地”を進化するために、今までのような多彩なシートアレンジを継承しながら、気軽に荷物が置けるテーブルコンソールをフロントシート間に設置して利便性をアップ。またハイブリッド車のインテリジェントパワーユニットを小型化することで、広いトランクスペースを確保した。
 (4)快適な“乗り心地”を提供するために、パワートレインには、2モーターならではの加速と滑らかな走りのために「ハイブリッドシステムe-HEV」をこのクラスで初めて搭載。燃費の向上だけでなく、走る楽しさも追求。さらに徹底的にボディ強度を増して、路面からの衝撃をしっかりと吸収するサスペンションの採用により快適な乗り心地を提供する。

「ホーム」はまさに万人向きのモデル

 グレードとしては、シンプルな「ベーシック」、快適性を備えた「ホーム」、アクティブなデザインを取り入れた「ネス」、アウトドアなタフなイメージの「クロスター」、上質な装備をまとった「リュクス」の5つの異なる仕様のモデルが展開され、ユーザーが自分の好みに合ったフィットを選択できることが大きな特徴になっている。
 今回試乗したのは、最もフィットらしい「ホーム」で、FF駆動、排気量は1.3リッター、ミッションはCVT、価格はナビなどのオプションが付いて186万6700円(消費税込)のモデルだった。
フィットに乗り込むと明るく視界の良さに加えて、今までのホンダのインテリアデザインとは異なる印象であることがわかる。シンプルで2トーンの色調もきれいで、操作類も良く整理されて、スイッチ類もすべて手が届くところにレイアウトされており操作しやすい。
 外観デザインも、少し男性的なイメージのある「クロスター」などとは異なり、おとなしいがフロントフェイスもリアデザインも端正なデザインでまとめられているので、年齢や男女の区別なく受け入れられるだろう。
 大き目のシートや剛性が高められたボディのおかげで、室内の静粛性や乗り心地は悪くない。このクラスでは絶対条件の一つである居住性や視界も良く、運転中も高い安心感が印象的だった。ライバル関係のトヨタヤリスに比べれば、ヤリスは全体にその性格は男性的で走りを重視した車であり、このフィットは、明らかにファミリーユースを念頭において開発された車であるといえるだろう。
 個人的な印象だが、フィットは、成人前の子供さんのいるご夫婦、年配のご夫婦などが、日常の買い物や近距離の家族揃ってのドライブなど、2人がそれぞれ運転して普段の生活に使うのに最適なクルマに仕上がっていると思う。 
    
報告:小林謙一
写真:佐久間 健

最終更新:2020/11/11