ダイハツ タフト

仲良し青空。こんなに開放感があるなんて

まず自然吸気。穏やかな加速、やや不足気味のトルク。でも全体としては必要十分。

軽乗用車のユーザーのうち40%は60歳以上65%は女性だという。地方の割合は圧倒的。

標準仕様のリア。スクエア基調ですっきり。静かに誇りを持って乗るにはピッタリの後ろ姿。


(左)こちらはディーラーオプションのメッキスタイル。ノーマルと比べるとほどよいスポーツ感。(右)2タイプあるメッキスタイルのオプション。あまり派手過ぎず好感が持てる。

(左)タイヤとフロントフェンダーの出しゃばり具合に注目したい。空力を考慮した妥協点。(右)標準装備のグラスサンルーフ。最初に乗り込んだ時の解放感は想像以上だった

(左)汚れても拭きとりやすい素材と、ドアとの間にモノが落ちにくいフラットフロア設計。(右)差し色を配したインパネは落ちついている。メーターは見やすく装備類の操作性も良し。


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 空が見える。前方視界もすこぶるいい。今年の7月の空はあまり青くはなかったが、8月に入った途端に計ったように夏空が来た。青空SUV、ダイハツ・タフト(TAFT)。それにしてもこの解放感は想像以上だ。風景ともっとも仲良くなるにはオープンだが、急な雨には焦るし──まあそれはいいとしても──少なくなった髪で風を受け止めるのはもはや快感とは言いがたい。

ライバルはハスラーにあらず。独自のSUV像を

 空とお近づきになるにはさしあたりグラスサンルーフ(スカイフィールドトップ)がいい。タフトではコレが標準装備になっている。珍しい。シェードこそ手動だが、贅沢を言ってはいけない。十分だ。
タフトのライバルとして反射的にスズキのハスラーが思い浮かぶ。間違ってはいないが、だからと言って満点回答ではない。どのあたりが?
 「ウチにはキャスト・アクティバというクロスオーバーモデルがありました(2015年〜)。しかし、この販売はあまり良くなかった。何故か?
 いろいろ検討しました。そこで出てきた答えの一つが、キャスト・アクティバのデザインはどうもSUVらしさに欠けているのではないかということでした」(マーケティング担当者)
 で、どうしたか? まずエクステリア。はっきり直線基調にした。このあたり、大ヒットしたがゆえに先代を意識しなければならなかった2代目ハスラーとは異なる。最低地上高はハスラーより10仟燭190弌オフロード走行で問題になるアプローチアングル(27°)もディパーチャーアングル(58°)も大幅に増やした。
 バンパーはSUVらしくできるだけ大きく見えるようにしたい。オーバーフェンダーも付けた。だからと言ってタイヤが前から見え過ぎると空力的に不利になる。荒々しさと実用性のバランスを考慮すればこの辺が精いっぱいだろう。フロントグリルは基本的には1種類。ジープのように縦にスリットが入るフロントとリアのガーニッシュはセットでディーラーオプション。ノーマルとディーラーパックオプションの販売比率は半々だと言う。

価格的には割安感あり。スマアシも大きく進化

 「軽自動車としては運転席を重視しました。前席のフレームはロッキーレベルです。前席を重視する一方で後席はアウトドアのラゲッジスペースと考えました。そのためにスペースをとるスライド機能は採用しませんでした。その分、床を低くできました。リアシートの背もたれは簡単に倒すことができ、フラットな空間が得られます。シートとボディとの隙間も極力少なくしました」(広報担当者)
 あれもこれをと狙わずに、前席と後の役割分担を明確にしたのは賢い選択だ。ただ、シートとドアの隙間は確かに狭くなってはいるが、小さなものなら落ちる可能性はある。ほぼフラットになる後席の床の素材(フレキシブルボード)が汚れを恐れなさそうなのはいい。汚れても拭けばきれいになる。
 インパネはオレンジ色の差し色と濃いグレー。メーターは大きくて見やすいし、シフトを含めて操作しやすい。センターコンソールには電動パーキングブレーキのスイッチもある。マルチディスプレイは大きくて見やすかった。全体的に軽自動車にありがちな窮屈感は少ない。
 乗り心地はいい。事前の説明では少し硬めにしたということだったが、今回のような市街地での短い試乗時間(45分)ではそのあたりははっきりと確認できなかった。とは言えタフトで3弾目となる新プラットフォームDNGA(Daihatsu New Global Architecture)の実力は、ここでも操安性、乗り心地の面に遺憾なく発揮されている。
エンジン音は粒がそろっていてかなり高回転まで回しても悲鳴をあげなかった。
 軽自動車の基本で自然吸気(38kW)、ターボ(47kW)の2タイプ。自然吸気の方はトルク十分とは言えないケースもあるが、その自然な回転の上昇は気持ちいい。ターボは低速トルクも含めてトルク面でも文句なし。トランスミッションはNAがCVT、ターボがよりダイレクト感の強いD-CVT。D-CVTはベルトとギアを使った独自のCVTで、とりわけ低速での力強さが目立つ。
 先進運転支援機能・スマアシ=ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)も進化した。約3年半ぶりにステレオカメラが新しくなった。処理を変更することで検知性能を向上させたほか、イメージセンサーの変更により撮像性能を高め、夜間歩行者への対応も可能とした。
 グレードはX、G、Gターボの3種類。すべてのグレードに2WDと4WDが用意さる。タイヤはすべて165/65R15。希望小売価格は135万円3000円(X 2WD)〜173万円2500円(Gターボ 4WD)。単純な比較はできないが、ハスラーより微妙に割安感がある。
 
報告:神谷龍彦
撮影:佐久間 健

最終更新:2020/08/03