スズキ ハスラー(2)

楽しさいっぱい。でもミソは基本性能のアップ

このデニムブルーは新色。Cピラーに開いたウインドーが最大の変更点。評価は?

基本的には大きな変化はないんだけど、どことなく男っぽくなった。このオレンジも新色。

左右対称の3連パネが大きな特徴。インテリのデザインチーフは女性。高級感をうまく演出。


自然吸気のエンジン。デュアルインジェクションシステムを採用。とくに市街地走行では静か。

(左)スズキの軽自動車としては初めてカラー液晶を採用。情報が整理されていて見やすい。(右)ステアリング左側にも各種スイッチ類。こちらもよく整理されていて扱いやすい。

(左)最後尾床下には取り外して洗うことができるラゲッジアンダーボックスが隠れている。(右)エンジンはすべてマイルドハイブリッド。最高出力はNAが49ps、ターボ64ps。


※画像クリックで拡大表示します。

 軽クロスオーバーという新しいジャンルで人気をさらった初代ハスラー。2014年1月の登場から6年、もうそんなに時間が経っていたなんて。それでも古さを感じさせない初代の魅力はすごい。そして2020年、「遊べる軽」もっともっとワクワクできるクルマを目指して開発された新型ハスラーが登場した。
 今度のハスラーは、初代の丸目の可愛いさを継承しつつも、力強さを匂わせるスタイル。ルーフを延長してスクエアで大きく広いキャビンを実現している。Cピラーにはクオーターガラスを設置して、斜め後方の視界も確保。このクオーターガラス、デザイン性の面では好みが分かれるところだが、後席に乗ってみると広々した開放感がある。
 また新しさを感じたインテリアでは、運転席に座ったときに目に入るインパネの3連インパネガーニッシュが目を引いた。7インチから9インチに大型化した3画面分割のメモリーナビゲーションを中心にメーター、アッパーボックスをオシャレに彩っていて、エンジンをかけるとナビ画面に全方位モニター用カメラで自車の周囲360℃を3Dでぐるりと映し出す。これにはびっくりした!  
 新色ボディカラーのデニムブルー、バーミリオンオレンジはボディカラー同色で、その他のボディカラーにはグレーイッシュホワイトが組み合わされる。個人的にはどのボディカラーにも3色の中から好きな色が選べたらいいのにと思った。また、軽にありがちな安っぽさがないと感じたのは、窓のすぐ下のドアトリムにファブリックを使っているせいだろうか。手触りがよく、腕に触れた感触が冷たくなかったのが気に入った。

後席の足元広い。足の長い男のコでもOK

 広くなったキャビンは、運転席、後席とも広々感があり、大人4名乗車でも快適。なかでも後席の乗り心地は快適で、適度な厚みのしっかりした座面、座面の奥行きが長すぎず膝裏が当たらず腿裏に密着するところや、ゆったり足を延ばせるところなど、個人的には好印象だった。身長が高く足の長い男子でも足先が全席の下に差し込めるので、これならOKだろう。ヒップポイントが前席よりも高くなっているので、見晴らしも抜群。チャイルドシートの子どもも、視界がいいので閉塞感がなく、気がまぎれそう。
 各所に気の利いた収納スペースがあり、使い勝手がいい。さらに、防汚タイプの荷室は、大人2名、子ども2名乗車なら、子どもを乗せた後席を前方にスライドさせれば、キャンプやバーベキュー道具などを積み込める。荷室側から後席のスライドもラクにできるので便利だ。取り外せるアンダーボックスも濡れ物、汚れ物を収納するなど、いろいろ使えそうだ。

新世代HERTECTで操安性や乗り心地が向上

 ラインアップは、新開発R06D型エンジンを搭載したハイブリッドG、ハイブリッドXとR06A型ターボエンジンを搭載したハイブリッドGターボ、ハイブリッドXターボの4グレード。ハイブリッドG以外の全車にスズキ セーフティ サポートが装着される。ターボ車には、全車速追従機能付きのアダクティブクルーズコントロールと車線逸脱抑制機能が搭載された。
 何より新プラットフォームHERTECTの採用と環状骨格構造、構造用接着剤、高減衰マスチックシーラーなどの採用でねじり剛性約30%、曲げ剛性約20%向上させたところ。それに、初代の2WDモデルで後席の突き上げ感が指摘されていたが、サスペンションをトーションビーム式に変更し、解消されていたし、操縦安定性や乗り心地がかなり良くなった。
 デュアルインジェクションシステムを採用したNAの2WDでは市街地走行だったが、アクセルをせっかちな踏み込みでエンジンノイズを高めるなんてことは避け、緩やかに踏み込んでみるとエンジンノイズも気にならず必要な加速ができる。乗り心地の良さに加えて普段乗りの相棒にいい感じと思う。

ターボのパワーモードは小型車並みの走り

 ターボの4WDでは高速道路走行で、スズキ軽初搭載のACC(アダプティブクルーズコントロール)と車線逸脱抑制機能を試したが、全車速追従機能付きで、車線のはみだしも抑制してくれるので、軽でも長距離移動がラク。高速道路でのカーブでの走行安定性や乗り心地も満足、ステアリングにあるパワーモードを試すと力強い加速が得られ、なんだか小型車のような感覚を覚えた。
 ACCを含むスズキ・セーフティサポートも進化し、誤発進抑制、後方誤発進抑制はもちろんのこと、デュアルカメラブレーキサポートでは夜間の歩行者も検知するので、より安心感が高まった。
 アプローチアングル29°、ディパーチャーアングル50°、最低地上高180弌▲錺ワクさせる遊びの幅を広げるビスカスカップリング式4WDシステムに、スノーモード、ヒルディセントコントロール、グリップコントロールのサポート機能がスイッチ一つで選択できるモードスイッチが設定されていて、アウトドアでの楽しみ方に広がりを与え、ゆとりある走りを実現してくれそうだ。使い勝手良く、走って楽しい、何よりクルマそのものの基本性能が向上したところにグッときた。

報告:緒方 昌子
撮影:佐久間 健

<緒方 昌子 > 最終更新: