ホンダ N-WGN(2)

意のままに走るノーマル、力感に欠けるターボ

ターボと自然吸気エンジンの評価はレポーターによって分かれた。遠藤氏はノーマルの方を押す。N-WGNのプラットフォームとコンポーネンツは基本的にはN-BOXと同じ。だから素性は極めて高い。

N-BOX は背の高いハイトワゴンでドアは両側スライド式。これに対してN-WGNはN-BOXに比べれば背が低めでドアはヒンジ開閉式。重量が軽い分走りは軽快な感じだったと遠藤氏は言う。

自然吸気エンジン。最高出力は43kW(58ps)。もちろんターボの47kWには劣るが、少なく市街地の一般走行では静かで滑らかな走りを提供する。この環境下ではパワー的に不満は感じさせない。


インパネは開発テーマらしく“SIMPLE”。計器盤はノーマルとターボで異なるがどちらも見やすい。基本的にはハイトワゴンだからヘッドクリアランスもたっぷり。スタートボタンはプッシュ式。

以外に便利だったのが全車標準装備のオートブレーキホールドシステム。アクセルペダルから足を離しても停止状態を保持する。ブレーキを踏み続けなくてもいいから渋滞路などでは助かる。

ラゲッジルームはボードで2段に分けて使うこともできる。使い方は各自工夫といったところだ。後席を倒せば想像以上に広い空間が現れる。どの軽自動車もユニークな手法で使い勝手を追求。


※画像クリックで拡大表示します。

 ホンダが7月18日にフルモデルチェンジした2代目のN-WGNを試乗した。2017年8月31日に一新した現行N-BOXと同じプラットフォーム&基本コンポネントを採用しているから出来はよい。今回はノーマルとターボに乗ってみた。
 最初にハンドルを握ったのはノーマルで次はターボの順だった。N-BOXの高い質感に対してN-WGNは軽快なドライブフィールを印象づけてくれた。試乗コースは都内のなだらかな下り、登坂、平坦なコースといろいろ試した。N-BOXは背の高いスーパースペースワゴンで両側スライドドアを採用している。これに対してN-WGNは背が低めのハイトワゴンでヒンジ開閉ドアだから、車重が軽い分、軽快なドライブフィールの仕立てとなっているのが分かる。
 走行パターンは様々なコースでの急加速、巡航、登坂でのフルスロットル、カーブでのハンドリング、ブレーキングなどいろいろ試したが、意のままに操作が楽にでき、しかも静かで滑らかな走りを実体現してくれた。ノーマルでも十分なパワーを与えてくれる。
 次のターボは思ったよりソフトな乗り心地であまり力感はない。1500回転くらいの低さからターボが効くようだが、それがあまりはっきりしない。スムースな走りだが、ちょっと物足りない印象もある。実用的で燃費の良い味付けにしているためらしい。

初期受注は上々。本格生産になれば軽ハイトワゴンのトップかも

 室内はN-BOXゆずりでたっぷり感がある。ダッシュボードはシンプルなデザインで計器盤は見やすい。プッシュスタートだから操作し易い。ステアリングはレザータッチだから、滑りにくく操作し易い。ハイトワゴンだから十分なヘッドクリアランスで手のひらをいっぱいに広げても天井に届かないくらいの空間があり、ゆったりとした気持ちでハンドルを握っていられる。
 アクセルペダルも手ごろな踏み加減で意のままに加速してくれる。登坂でのフルスロットル時は何のストレスもなくクリアしてくれる。今回は2人乗りなので加速性がどうかと思ったが、1人とほとんど差がないくらい満足できる印象だった。
 初期の受注台数は計画を大きく上回る推移を見せている。生産が本格化すれば、同クラス軽ハイトワゴンのトップセラーに浮上する可能性がある。こうした状況になれば初めてのことになる。今回の試乗でもそれが裏付けられる感想を持った。

報告:遠藤徹
写真:佐久間健 怒谷彰久

最終更新:2019/10/17