アウディA4

Bセグメントの新世界標準を目指してフルモデルチェンジ

井口 駿吾



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 アウディの全生産台数の40%を占めるA4が、去る3月18日にフルモデルチェンジを受けた。今回のフルモデルチェンジで、全長4705(+120)mm、全幅1825(+55)mm、全高1440mmと従来モデルより一回り大きくなったが、アルミ部品の多用などで車両重量はA4 1.8l TFSIが1798(-20)kgと軽量化が計られている。エクステリアデザインは、全体としては従来モデルを踏襲しているが、前モデルから採用されたシングルフレームグリルは横幅が広くなり縦幅も低く抑えられたことにより、ヘッドライトやフォグランプの形状変更と伴って、より力強くスポーティーな感じをアピールしている。特に、夜間走行でA4とはっきり主張するためかヘッドライトの中に「ウイング」エレメントが取り入れられ、一目でA4が走ってきたことを知らせてくれる。サイドビューは、そのクーペ的なシルエットをより際立たせるために、ドアシル上部からリアに流れるダイナミックラインとウインドウ直下のトルネードラインが取り入れられ、際立って短いフロントオーバーハングと相まって、ダイナミックでスポーティーなクーペシルエットを醸し出すのに成功している。

  この新しいボディーに搭載されたパワーユニットは、直噴システムFSIが採用された1.8FSI水冷ターボチャジャー付きとV6 3.2FSIエンジンだ。直列4気筒の1.8TFSIは最高出力160ps(4500?6200rpm)、最大トルク250Nm(15.00−4500rpm)で、前輪駆動のA4に搭載されている。一方、V6 3.2FSIは4輪駆動のクワトロモデルに搭載され、最高出力は265ps(6500rpm)、最大トルク330Nm(3.000−5000rpm)を発生させている。それでいて1.8TFSIは、膳モデルに比べ+8%の燃費の向上、3.2FSIは+5%の向上を達成している。  また、今回のモデルチェンジでの特筆すべきテクノロジーは、3.2モデルにオプション採用されたアウディドライブセレクトとダイナミックステアリングである。ドライブセレクトは、従来モデルにも採用されていたが、今回はより改良され、「オート」「コンフォート」「ダイナミック」の3モードから好みのモードを選ぶとエンジンレスポンスやステアリングのパワーアシスト量、オートマチックトランスミッションのシフトポイント、そしてアダプティブショックアブソーバーのコントロール等を一瞬にしてくれる。ダイナミックステアリングシステムは、車速に応じて実効ステアリング比を変化させるもので、シャープなコーナーを走り抜けるとき、従来の様に大きな舵角を切ることなく走れるし、高速走行時には、少々大きくステアリングを切っても従来より少しの舵角しか切れないので、直進安定性が増してくる。実際、急コーナーの多い道を高速で走り抜ける時、わずかなステアリング操作で済む事に気付くだろう。

  試乗にあたって、3.2のクワトロを先に乗ったので、そのパワフルさとドライブセレクト、ダイナミックステアリングシステムの助けもあって、より強い印象を受けてしまったが、1.8モデルの方は、エンジン単体をとっても36kg1.8TFSIの方が軽いせいもあって、回頭性は3.2より軽やかに感じられた。しかし、スタート時のトルク不足を感じたのは、3.2を先に乗ったせいもあるので、市街地走行を主と考えれば、1.8TFSIで十分だろう。全体的に見て、今年のインポートカーの中では特筆される1台だろう。価格は1.8TFSIが4.190.000円、3.2FSIクワトロが6.450.000円。

<井口 駿吾> 最終更新:2010/04/23