ホンダ N-BOX(2)
HONDA N-BOX

実際に歩行者に対処した。軽自動車ナンバーワン安全技術 

手前がN-BOXカスタム、奥がN-BOX。グリルやライトなどフロントがかなり違う。

カスタムのインパネの質感は「軽」としては異例なほど高い。時にコンパクトカーを凌ぐ。

シートは超便利なスーパースライドシートとオーソドックスなベンチシートが選べる。



※画像クリックで拡大表示します。

 Nボックスは、軽自動車のなかでスーパーハイトワゴンなどと呼ばれるカテゴリーに入るモデル。直接のライバルはダイハツのタント、スズキのスペーシアだ。ともに強豪ぞろいだが、新型Nボックスはこのカテゴリーでトップの出来栄えといえる。
 室内スペースなどは軽自動車の規格があるため大な差がついてはいないが、先進安全装備のホンダセンシングの充実ぶりを見るとライバルを突き放している。それも全グレードに標準装備というのだから驚いてしまう。安全のためにとてもいい判断だと思う。
 最近アクセルとブレーキペダルの踏み間違えによる事故がクローズアップされているが、ホンダセンシングは踏み間違いだけでなく、路側帯(歩道)の歩行者との衝突回避のステアリングアシストまで行う。こうした機能をライバルは装備していないし、登録車でも上級モデルでなければ採用していないような安全装備をホンダは採用している。現在、軽自動車のなかで先進安全装備の充実度では、Nボックスがダントツの性能だ。
 東京・外苑近くで開催されたNボックスの試乗会では、幸運(?)にも安全装備の性能を体験することができた。外苑の絵画館周辺の道路は周回できるが、途中に横断歩道がいくつかある。走っているこちらの交通信号は当然青。歩行者用は赤にもかかわらず、30mほど先の横断歩道を人が渡り始めた。その瞬間、ホンダセンシングの1つの機能である衝突軽減ブレーキ(CMBS)が反応、ドライバーがブレーキを踏むより早く、車内に「ピッピッピッ」と警報が流れた。
 当然、すぐにブレーキを踏んだため自動ブレーキが作動する状況には至らなかったが、車両だけでなく歩行者にも反応することを体感した。テストコースではダミー人形を相手に自動ブレーキの体験を何度も経験しているが、本物の人を相手にしたのははじめてだ。こんな経験はしないことが一番いいが、人はミスをする。ここをカバーするためにも、こうした先進安全装備を標準化したNボックスは高く評価できる。
登録車に迫る実力。ホンダセンシングの制御も抜群
 そのほかにもホンダセンシングは、追従クルーズコントロールのACCやレーンキープなどを装備していて、上級車並みの高度な制御も行う。ACCが全速域ではなく、約30km/h以下の低速域でキャンセルされてしまうのが残念だが、近い将来Nボックススラッシュが標準装備している電動パーキングブレーキが組み合わされれば、停止制御までできるようになるはずだ。
 動力性能面では、新骨格と新パワートレーンが効果を表している。ハイテン材を多く使用したボディは剛性感をアップさせながら軽量化を実現した。特にNAエンジンのグレードは、先代よりもスタートからの加速感が軽くなった。先代のNAは少しボディが重い感じがあり、車線変更などのためちょっと周りをリードしたいときはアクセルを大きく踏み込む必要があった。
 新型はストレスなく走ってくれるし、エンジンを高回転まで回したときのノイズもよく抑えられ、ライバルよりも高い静粛性を実現している。ターボは高速でも余裕の動力性能を見せる。G・Lターボのグレードならパドルシフトを装備するためスポーティな走りも楽しむことができる。
 新型Nボックスは、装備面や動力性能面、静粛性でライバルを突き放したという印象。登録車にも迫る実力だから、先代に続き新型も大ヒットするだろう。すでに発売後、約1カ月の累計受注台数(10月4日時点)は5万2000台を超えているという。
報告:丸山誠
写真:本田技研工業

<丸山 誠> 最終更新:2017/10/26