今年から始まった予防安全性能アセスメントの結果発表

飯塚 昭三

 「NCAP」とはNew Car Assessement Programの略であり、新型車の安全評価を行うこととして日本では「JNCAP=ジェイエヌキャップ」として行なわれている。試験とその評価を行なうのは国土交通省の管轄化にある独立行政法人「自動車事故対策機構=NASVA」で、1995年から行なっているが、その試験項目や評価項目も時代に適合するように変化してきた。
最近の新型車では衝突被害軽減ブレーキなどの予防安全装置を搭載した車両が増えているが、このような状況を背景に「予防安全性能アセスメント」試験が行なわれることになった。そしてその試験は今年(2014年)4月から実施され、10月23日にその試験結果発表と公開試験デモが茨城県つくば市の「日本自動車研究所」で行なわれた。
 試験項目は「衝突被害軽減ブレーキ」と「車線はみ出し警報」についての2つで、装置の正式名称はそれぞれ「衝突被害軽減制動制御装置:略称AEBS」、「車線逸脱警報装置:略称LDWS」となる。まず被害軽減ブレーキについては、試験車を10〜60km/hでターゲット(模擬車両)に後方から接近させてテストする。試験はターゲットが止まった状態と20km/hで走行している状態の2種類がある。警報またはブレーキの作動により衝突を回避した場合、あるいは衝突した場合でもどのくらい速度が低下していたかに応じて得点が与えられる。
 車線はみ出し警報については、試験車を60km/hまたは70km/hで走らせ、道路の白線からはみ出したときに、警報を発するか否かのテストを行なう。警報を開始した速度が低いほうが高い得点が与えられる。
 総合評価の評価点は日本の事故実態を踏まえ、その合計が2点以上が先進安全車「ASV」として認定。さらに12点以上の場合は先進安全車プラス「ASV+」として認定される。
 今回「ASV+」と評価されたのは15系列車種、「ASV」と評価されたのは11系列車種であった。
●ASV+(先進安全車プラス)
トヨタハリアー/カムリ/レクサスIS/LS/NX/日産エクストレイル/ノート/スカイライン/スバルレヴォーグ/フォレスター/インプレッサ/ホンダオデッセイ/マツダアテンザ/アクセラ/三菱アウトランダー・同PHEV
●ASV(先進安全車)
スズキスペーシア・同カスタム・マツダフレアワゴン・同カスタムスタイル/スズキソリオバンディット・三菱デリカD:2/スズキハスラー・マツダフレアクロスオーバー/スズキワゴンR・同スティングレー/ダイハツタント・同カスタム/ダイハツムーヴ・同カスタム・スバルステラ・同カスタム/ダイハツミライース・スバルプレオプラス・トヨタピクシスエポック/ホンダヴェゼル/ホンダN-WGN・同Custom/ホンダフィット/ホンダN-BOX・同Custom・N-BOX+同Custom


最終更新日:2014/11/01