第17回(2008年次)RJC カー オブ ザ イヤー

 

特定非営利活動法人 日本自動車研究者ジャーナリスト会議(RJC)は2007年11月13日(火)栃木県芳賀郡茂木町「ツインリンクもてぎ」において2008年次<第17回>RJC カー オブ ザ イヤー 最終選考会を行った。即日公開開票し、「RJC カー オブ ザ イヤー」、「RJC カー オブ ザ イヤー IMPORT」、「RJC テクノロジー オブ ザ イヤー」、「RJCカー オブ ザ イヤー特別賞 最優秀SUV」を決定した。

 

2008 RJC カー オブ ザ イヤー

激戦を制してデミオが最優秀賞を獲得!!

□国産部門:6BEST選考理由

マツダ デミオ

3代目となる新型デミオは、環境性能と走行性能を 高めたことを評価。中でも先代に比べ約100kgもの車 重の軽量化を達成したことと、燃費性能に優れる新開発の自然吸気MZR1.3Lミラーサイクルエンジンを採用し たことを評価する。これにCVT(無段変速機)を組み合わせたモデルは、10・15モード燃費23.0km/Lを実現した。

 

 

 

日産自動車 スカイライン(セダン/クーペ)

12代目となる新型スカイラインは、コンセプトのとおり「魅惑・洗練・高性能」を具現化。特に先代から 続くFMパッケージを踏襲した新世代FR-Lプラットフォー ムを採用し、躍動感あふれるスポーティな走りを実現したことを高く評価。またクーペの新開発V6エンジン VVEL(ブイベル)は、燃費性能を追求したことも評価す る。

 

 

 

ダイハツ工業 ミラ

7代目となる新型ミラは、プラットフォームからエンジンまですべてを一新させることで、軽自動車本来の使い勝手のよさを追求している。美しいスタイルを 実現させながらスペースユーティリティに配慮しているのも評価。またミッションにCVT(無段変速機)を採用 するモデルは、動力性能と燃費のバランス、静粛性に優れている。

 

 

 

富士重工業 インプレッサ(含むWRX STi)

3代目となるインプレッサはプラットフォームを一 新、リヤサスペンションにはマルチリンクを採用することで高い操縦性と優れた乗り心地を実現。スバルの 独自性の象徴と言える、水平対向エンジン・シンメトリカルレイアウトも気持ちいい走りに貢献。ブランド独自のパッケージングで、自動車本来の魅力を追求したことを評価。

 

 

 

トヨタ自動車 マーク X ジオ

マークXジオは、優れた走行性能を実現させながら使用シーンに合わせて自由にシートアレンジができる 点を高く評価した。上質感があり大人4人がくつろげる室内、「4+Free(フォー・プラス・フリー)」と いうコンセプトで、新ジャンルの創造を目指し、脱ミニバンユーザーに向けたチャレンジングな商品コンセプトも評価する。

 

 

 

三菱自動車工業 ランサー エボリューション X

プラットフォームやエンジンなどすべてを一新したランサーエボリューションX(テン)は、優れた操縦性と 安定性を両立させる車両運動統合制御システムS- AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)を高 く評価。高効率トランスミッション、ツインクラッチ SST(スポーツ・シフト・トランスミッション)の採用も評価する。

 

 

 

本田技研工業 フィット

2代目となるフィットは、パッケージングやユー ティリティ、ドライビングなど、全方位の性能を大きく進化させたことを高く評価。先代から採用するホンダ独自のセンタータンクレイアウトは、広い車室空間を実現。4つのモードが可能なウルトラシートの使い勝手やクラストップ24.0km/Lの燃費性能を実現したことも高く評価。

 

 

 

メーカー/ブランド

車 両 名 称

得票数

マツダ

デミオ

403

日産自動車

スカイライン(セダン/クーペ)

140

ダイハツ工業

ミラ

140

富士重工業

インプレッサ(含むWRX STi)

103

トヨタ自動車

マーク X ジオ

238

三菱自動車工業

ランサー エボリューション X

175

本田技研工業

フィット

276

※次投票において6位同数票のため、最終選考対象は7車。

※有効投票数59票

 

2008 RJC カー オブ ザ イヤー インポート

プジョー207が独走。悲願の頂点へ!!

 □インポート部門:6BEST選考理由

プジョー 207

躍動感を強く表現したダイナミックなデザインと、プジョーの伝統でもあるしなやかなサスペンションが新207の特徴。207GTに搭載のツインスクロールターボエンジンは1.6LながらNAの2.0Lを凌ぐワイドレ ンジなトルク特性を持ち、スポーツコンパクトのあり方を示している。同時に展開されるシリーズモデルによって幅広いニーズへの対応も評価された。

 

 

 

BMW ミニ

サーアレックイシゴニスによって生み出された「ミニ」以来の横置きエンジンによるスペースセービング コンセプトを伝承、「変えないこともコンセプト」として、ミニのマインドとプライドを守り続ける。BM Wによるエンジンテクノロジー、サスペンションテクノロジーの注入によって、世界のこのクラスのクルマのベンチマークとなっていることが高く評価された。

 

 

 

シトロエン C4 ピカソ

シトロエンの命題であり、コダワリでもある、良好な乗心地の確保は伝統として脈々と受け継がれ、C4ピカソでは独創性に更なる磨きをかけ、乗員すべてが等しく楽しいと思える空間を作り出している。走りの性能も高度なレベルにあり、「乗る人すべてに幸せを感じてもらうことこそシトロエンの願い」を具現化したことが評価された。

 

 

 

メルセデス・ベンツ C クラス

深い落ち着きのエレガンス、ダイナミズムを主張する アバンギャルド、ふたつの顔を持つ新しいCクラスは 高剛性軽量ボディの採用によってさらなる進化を遂げた。俊敏性と快適性の両立を可能としたアジリティコントロールによる高い次元のコンフォート&スポーティなドライビングと、「PRO SAFE」と名づけられた新安全コンセプトの採用は高い評価を受けるに値する。

ボルボ C30

ボルボのニュージェネレーションクーペC30には、彫りの深い、スカンジナビアンテイストのデザインが与えられ、直列5気筒のコンパクトなエンジンを横置きレイアウトとしたFWDとなっている。ボルボ車に 共通する高い安全性への配慮はコンパクトなC30も同様以上の配慮がなされ、SIPSを始めケージ/クランブル構造などの採用が評価できる。

 

 

 

フォルクスワーゲン ゴルフ バリアント

スポーツワゴンとしてゴルフシリーズの一翼を担うゴルフ ヴァリアント。2.0Lに匹敵する出力を持ち、燃費経済性に優れ、環境性能も良好な1.4LTSIエンジンとハイパフォーマンスな2.0LTSIエンジンを搭載、マニュアル感覚のクイックなシフトフィーリングを持つオートマチックトランスミッションDSGの楽しいドライビングが評価された。

 

 

 

メーカー/ブランド

車 両 名 称

得票数

プジョー

207

474

BMW

ミニ

140

シトロエン

C4 ピカソ

182

メルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツ C クラス

259

ボルボ

C30

151

フォルクスワーゲン

ゴルフ ヴァリアント

269

※有効投票数59票

 

 

2008 RJC テクノロジー オブ ザ イヤー

VWの新鋭TSIエンジンが栄冠を獲得!!

□特別賞テクノロジー部門:6BEST選考理由

フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアントなど TSIエンジン

フォルクスワーゲンゴルフシリーズに搭載の直噴過給器エンジン。スーパーチャージャー+ターボチャージャーを装備するツインチャ−ジャーエンジンは、 排気量を1.4Lにダウンサイジング、ターボ過給が充分でないエンジンの低速側をスーパーチャージャーで補い、125kW(170PS)の最高出力、240Nmの最大トルクを発生、1.6?なみ低燃費と2.4Lエンジン並みのハイパーフォーマンスを高いレベルでバランスさせた。

 

 

 

アウディ A6 2.8 FSI クワトロ アウディ バルブリフトシステム

アウディA6 / A6 アバント2.8 FSI クワトロに搭載のV6 2.8? DOHC直噴エンジンに採用された可変バルブリフト機構は、コンパクトにして高度な高速応答性を持ち、シリンダー内の吸気に、強いタンブルを起こさせて高圧の燃料を噴射、均一な混合気を形成、12.0の高圧縮比採用と相まって、燃費の向上、CO2の削減を成し遂げ高い燃費性能向上効果が評価された。

 

 

 

レクサス LS600h / LS600hL V8ハイブリッドシステム + AWDシステム

ハイブリッド専用に開発のV8 5.0? DOHC エンジンに高出 力モーターを組み合わせ、6?車並のパワープラントとし、フルタイムAWDを組み合わせ、最適な制御により パワフルな走りと卓越した安全性を確立、減速時は4輪回生ブレーキによりエネルギーを回収して3?車並の経済性を達成、パワーと経済性を両立、テクノロジーの頂点とも言える驚異のハイブリッド技術が高く評価された。

 

 

 

マツダ デミオ13C-V 無過給(自然吸気) ミラーサイクルエンジン

マツダデミオ13C-Vに搭載の直列4気筒 1.3L DOHC エンジンに採用。吸気バルブを遅閉させ、エンジンの圧縮仕 事量を減らし膨張行程が大きくなるミラーサイクルの 採用によって、10-15モード23.0km/? の燃費経済性を達成。無過給小排気量エンジンへの採用が難しいと言われる中、出力特性を向上させ、性能と燃費の両立を達成した点が高く評価された。

 

 

 

三菱自動車工業 ランサー エボリューション X GSR TwinClutchSST (SportsShiftTransmission)

ランサーエボリューションX GSRに搭載される「Twin Clutch SST」は、湿式ツインクラッチ方式採用の、自動変速マニュアルトランスミッション。素早いシフト チェンジが爽快な加減速を実現。3パターンの変速プ ログラムにより、街乗りから、ワインディング路走行、降雪路まで幅広い走りに対応できるシステムと、高効率な動力伝達機構による優れた燃費性能が高く評 価された。

 

 

 

三菱自動車工業 ランサー エボリューション X S-AWC (SuperAllWheelControl)

ランサーエボリューションXに搭載。従来の「アクティブセンターデファレンシャル」、「アクティブヨーコントロール」、「スポーツABS」に、「アクティブスタビリティコントロール」を新たに加え、これらを統合制御することで4輪の駆動力、制動力をそれぞれ独立してコントロール。様々な走行状況下での、正確かつ高度なスポーツドライビングを可能としたシステムが評価された。

 

 

 

 

 

メーカー/

ブランド

搭  載  車  両

技   術   名

得票数

フォルクスワーゲン

ゴルフ ヴァリアントなど

TSIエンジン

386

アウディ

A6 2.8 FSI クワトロ

アウディ バルブリフトシステム

148

レクサス

LS600h
/ LS600hL

V8ハイブリッドシステム
+ AWDシステム

226

マツダ

デミオ13C V

無過給(自然吸気)
ミラーサイクルエンジン

167

三菱自動車工業

ランサー エボリューション X GSR

TwinClutchSST (SportsShiftTransmission)

196

三菱自動車工業

ランサー エボリューション X

S-AWC (SuperAllWheelControl)

327

※有効投票数59票

 

 

 

2008 RJCカーオブザイヤー特別賞 最優秀SUV

CX-7が強豪ライバルを抑えて堂々1位に!!

□特別賞SUV部門:6BEST選考理由

マツダ CX-7

マツダ スポーツカーのDNAを継承するCX−7は「クロスオーバースポーツ」をコンセプトに開発、パワフルで環境性能に優れた2300DISIターボエンジ ンを搭載、6速オートマチックトランスミッションによるダイナミックな走行性能、シャープなハンドリングを生む洗練のサスペンション性能が高く評価された。

 

 

 

本田技研工業 CR-V

初代CR−Vから受け継いだ「コンフォート ランナ バウト ヴィークル」のコンセプトを2.4li−VTE Cエンジン、5スピードオートマチックトランスミッション、4輪独立懸架サスペンションなどの採用によってブラッシュアップ、安全性、環境性能も強化し、上質かつマルチパーパスなSUVを完成させたことが評価された。

 

 

 

三菱自動車工業 アウトランダー

ボディ剛性の強化と軽量化を同時に達成し、SUVとしての使い勝手を訴求、居住空間の快適性、積載性を向上させた。環境性能に優れた高性能エンジンの搭載 はもとより、INVECS-鶚 6速スポーツモードCVTの採用、オールホイールコントロールなど先進のテクノロジーを投入した走行性能も評価された。

 

 

 

日産自動車 エクストレイル

基本コンセプトは初代以来不変としながら、安全性に寄与するALL MODE 4X4i(ヨーモーメントコ ントロール採用)、VDC標準装備、ヒルディセント コントロール、ヒルスタートアシストなどによる走破 性の大幅な向上はエキスパートのみならず、エントリーユーザーにも高度な走破性を提供、その性能の革新強化に弛みの無い開発姿勢が評価された。

 

 

 

トヨタ自動車 ランドクルーザー

King of 4WDと自他共に認めるランドクルー ザーの基本コンセプト「一貫性」を貫いたウィズフレームの車体構成をさらに熟成。世界の過酷な状況下での走破性に一層の磨きをかけ、クロールコントロー ル、トルセン内臓トランスファ、キネティックダイナ ミックサスペンションなどの投入により、完璧なまでの脱出性能を備えたことが評価された。

 

 

 

フォルクスワーゲン トゥアレグ

高潔でプライドの高い小数民族「トゥアレグ族」に由来する車名のフォルクスワーゲン トゥアレグは、フルモノコック構造を取りながら、クロスカントリー性 能を重視するオーソドックスな4WDとして成立、四 輪独立懸架サスペンションを備え、4XMOTION (フルタイム4WDシステム)を組み合わせ、卓越した クロスオーバー性能の発揮が評価された。

 

 

 

メーカー / ブランド

車 両 名 称

得票数

マツダ

CX-7

322

本田技研工業

CR-V

184

三菱自動車工業

アウトランダー

210

日産自動車

エクストレイル

292

トヨタ自動車

ランドクルーザー

277

フォルクスワーゲン

トゥアレグ

165

 

※ RJC カー オブ ザ イヤー各賞はRJC選考委員会所属会員の一次投票により、得票上位の6ベストを決定、テストデイ(最終選考試乗会)を経て最終投票を行い各賞を決定した。