スバル・フォレスター試乗記

選びたくなる理由あり



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良好なサス・タイヤバランス
 実際に、このサイズ感をもっている最新モデルの中では、いまのところはこのフォレスターがいちばんの「良さ」を持っていると「個人的」には捉えている。それは、走り出してすぐにドライバーへと伝えてくるが、とにかく、タイヤのバランスの整え方とサスペンションのバランスがものすごくいい。路面の凹凸をつかんだ瞬間から、その形状を細やかに伝えてくるし、さらに意図的に固さとして残した部分まで教えてくれるのだ。そして、さらに速度を上げていっても印象は変わらず、コンフォートさをここぞとばかりにアピールする。しかし、そのままに速度を乗せていくと、そこに左右に少々揺られるという不思議な印象が加わる。
 もちろん、この乗り味はいわゆるSUV的なものであり違和感はないのだが、タイヤをチェックすると、アッパークラスであるPremium S:HEV EXにはブリヂストンのTURANZA EL450(サマータイヤ)を、サイズは235/50R19を採用していた(2022年にSUBARU SOLTERRAに採用)。シリーズの中では大きめとなるホイールサイズだが、そもそも、このようなキャラクターとサイズから判断するとその乗り味からは固さが気になるかなと思っていた。しかし、実際には行き過ぎていない、いいバランスを作り上げており、そのままにワインディングへ入っていくとこれまでに見せなかった様相を突き付けてきた。それはスポーティさを強めた印象だ。ステアリング操作で簡単にクルマが乱れることはなく、がっしりと路面を捉えたままに、頑なにストレスなきままにノーズがインを追求していく。曲がっていく、というポテンシャルはそのままながら、そこに乗り味への固さは見せることなく、つまりは、しなやかさを伴って曲がっていく、という懐の深さとも言えるものだった。

リアシートへすんなりと
 走りといった面はもちろんだが、いくつか表には出てこないようなポイントにも良さを見出した。たとえば、リアシートへの乗り降りのしやすさ。このサイズ感のモデルの中では、やはり、いちばんではないだろうかと思ったほどのレベルであり、ドア開口部は大きく確保され、乗り降りの際につま先をどこかにひっかけるようなこともなく、すんなりと室内へと、もしくは外へと出すことができる。また、シート部分に足が付いてしまうようなこともなく、また、サイドシル部分にやはり足がひっかかってしまうこともない。つまり、当たり前に仕上げられた機能となっているのだが、それを気付かせない、当初から「ひっかる印象が見当たらない」レベルに仕立てられていた。
 そして、リアシートへのアプローチもいい。腰を深くに落とし込むようなスタイルで座らせつつ、フロアと膝までの距離がしっかりと取られているし、さらには全高を確保した分をインテリアに表現しており、つまりは、いわゆるSUVスタイルなのに、ここまでゆったりと座らせてくれるモデルも珍しいなぁ、と感じたほどだった。そのシートの形状は、リアシートに3名が座れる感はないのだが、大人2名で両端シートに座ると、背中から腰、そして腿までしっとりと包んでくれるシートデザインに作り込まれており、そこには心地よさも付随されていた。逆に、BMW3シリーズのように、あえて適度な包み込み感を意識させるシートデザインもあるが、このフォレスターのシートは、さらに、ゆとりを作り込んだ形状をデザインされており、まさに上出来であることを感じてしまったほどだった。 
 サンルーフの仕上がりについても、語っておきたい。大型サンルーフ(電動スライド式)を採用していることから、しっかりとリアシート足下まで明るくなっていることを考えると、印象は悪くはない。ただし、カバーを利用することなくサンルーフ用のみの使用となると、室内へと陽射しが届いてしまうため、上級グレードだけにサンルーフ搭載を許すのではなく、すべてのグレードでもう少しコストをかけてもらえたら(価格上昇に繋がるけど)、良かったのではないか、そう思えてくる。実際に、欧州のSUV系に採用されているサンルーフはガラス面にコストをかけており、言い方は大げさになるが、カバー系が不要といえる「使える」サンルーフを実現している。

 リリースから1年が経過して、街中でもようやく目にするようになってきたスバル・フォレスター。新しさを感じ取れるデザイン性、パッケージとしての鋭さ、走行性能たる2面性など、これまでのファンが乗り換えやすいことはもちろんだが、ほかモデルと比較して選びたくなる理由があることまで見えてくる。ただし、インテリアにおかれたセンターモニターは、横置きではなく縦置きにしてしまったため、気軽に拡大できなくなった、つまりは、これ以上のサイズアップに限界が見えてきたことも問題となっている。単なる、インテリアデザインの変更でありながら、そこまでがらりと換えていくことは難しい。はたして、どう対応するのか、デビューしたばかりのモデルだが、そんな先までも「見どころ」になっている。
報告:吉田 直志

最終更新:2026/05/28