スズキ ジムニー/ジムニー・シエラ
SUZUKI JIMNY/JIMNY SIERRA

四角くてシンプル。機能美の見本

 なりは小さくても、そんじょそこらのヤワなSUVとは違う。軽自動車初の本格的な4輪駆動車としてジムニーが登場した頃、SUVなんて単語はまだ一般的じゃなかった。ベースはあくまでもプロの道具だ。例えば林業などをイメージすればいい。だから泥濘路対策も抜かりない。やや丸みを帯びた3代目はアーバン4WDに色目を使ったが、今回は本来のクロスカントリー4WDに戻った。
 ジムニーがデビューしたのは1970年。1981年にモデルチェンジをし、1998年には3代目に移行する。それから20年もかけて4代目になった。
 この間1977年には800ccエンジンを搭載した小型4WD「ジムニー8」が追加され、その後1000ccエンジンを採用、1984年には1300ccエンジンを搭載し名前をジムニー1300シエラ(オーストラリア用に使っていた名前)とした。
 ジムニー・シリーズとしては、日欧を中心に世界で285万台売れた。大ヒットとは言えないまでも驚異的とは言える。ちなみに日本では約8割のユーザーがジムニーを選んできたそうだ。
 ジムニーもジムニー・シエラもエンジン以外は基本的には共通だ。シエラは小型車だから軽自動車の枠に縛られる必要はない。バンパーの形状によって全長は少しジムニーより長いし(+155弌法∩管も大雑把に言えばオーバーフェンダーとサイドガーニッシュの分だけ広い(+170弌法
 プロの道具は機能美に優れる。角はソフトだが全体にはスクエアなボディフォルムをとる。スクエアデザインのいいところは車両の姿勢や状況を把握しやすいからだとスズキは説明する。降雪時に雪がたまりにくく、降ろしやすいようにボディ表面からできる限り凹凸は追放した。さらに高い走破性の確保に有利なようにバンバー形状に切り上げ型を選んだ。実際、アプローチアングル=41°、デパーチャーアングル=51°(ジムニー)は純クロスカントリー車と比べても遜色はない。
それでも先代よりもずっと快適! だろう
 フルモデルチェンジとは言え、継承すべき要素はいくつもある。取り回しがしやすく見切りの良いスクエアボディ、機能に徹した飾らないインテリアなどなど。
 前席のシートスライド量は45仗びたし、前席と後席の間隔も40弌▲悒奪疋リアランスは前席が50弌後席が45亶がっている。最小回転半径はジムニーが4.8m、シエラが4.9m。とくに日本の山道ではこのコンパクトさは貴重だ。
 メカニズムに関しては、新開発のラダー(梯子)フレーム、大きなアプローチアングルの取れるFRレイアウト(エンジンは縦置き)、そして副変速機付きパートタイム4WDだ。トランスミッションは5MTと4ATが選べる。
 最近の多くの乗用車と異なりジムニーはラダーフレームを採用してきた。新型では従来のフレームにXメンバーと前後2本のクロスメンバーを追加。その結果ねじり剛性は1.5倍になったという。このフレームとボディをつなぐボディマウントゴムを採用して、乗り心地と操縦安定性の両立を図った。また、キックバックと高速走行時の振動を減らすためにステアリングにダンパーを入れたのも目新しい。クロカンでもある程度の快適性が要求されるのが‟時代“なのだろう。
 エンジンはジムニーが658cc直列3気筒ターボ(64ps)で従来と基本的には変わらないが、シエラは1460cc直列4気筒(102ps)になった。この1.5ℓはインドネシアで売られている7人乗りワンボックス「エルティガ」のものである。
 もうひとつ特徴は電子制御のブレーキLSDトラクションコントロールを標準装備にしたこと。4L(4WD低速)走行時に空転した車輪にだけブレーキをかけてもう一方の車輪の駆動力を確保する。本格的なラフでは強い味方になる。
 価格はジムニーが145万8000円(XG 5MT)〜184万1400円(XC 4AT)、ジムニー・シエラが176万0400円(XL 5MT)〜201万9600円(XC 4AT)。
 年間販売台数はジムニーが1万5000台、シエラが1200台。売れ行きは絶好調で、いま注文しても年内納車は厳しいそうだ。
報告:神谷龍彦
写真:佐久間健

ジムニーの新色・キネティックイエロー。万一の時に目立つ性能を追求したハイビジビリティカラー。

新色2。欧州のハンターや森林協会の作業員はこの目立たないカラーと前のイエローを使い分けているとか。

インテリアは実用性と機能性に徹してシンプル。必要以上に質感を追及していないのがかえって潔い。

スペックにあまり変化はないが実際にはエンジンにも手が入っている。ジムニーは従来比4.8kgの軽量化と全幅60个離灰鵐僖ト化、シエラは1.3ℓと比べて4.3kgの軽くコンパクトに。

中央がXメンバー、左にクロスメンバー。もう一本のクロスメンバーはもっと右。フレームで振動を遮断。

左奥から初代、2代目、3代目。3代目はやや丸くなったのが分かる。初代登場時はインパクトが強かった。


最終更新日:2018/07/20