──突然ですが、写真のモデル何だと思います?
「??」
──光岡自動車のヒミコです。
「うん、名前くらいは聞いたことがあるかな。
──ベースは何か知っていますか?
「オープンだし……それにとっても長いよね。」
──マツダのロードスター(3代目)です。エンジン(2ℓ直4)もそう。ハードトップも同じ。長いのはロードスターの全長を70cmものばしたから。4575㎜ある。
というような会話を必要とする人はほとんどいないと思うけど、これはれっきとした光岡の最新モデルである。正確に言うとHimiko乱<RAN>。ここまで伸びやかで悠々としたクルマは現在では望むべくもない。手作業なればこその成果だ。
エクステリアの特徴は(1)花吹雪と呼ばれる専用のボディカラー(ブラックとグレイ)(2)七宝焼きのラジエーターグリルバッジ(3)フロントオーバーフェンダー(4)18インチアルミホイールとタイヤ。
インテリアでは(1)「乱」の文字が書かれた赤・黒・グレイのデザインシート(素材は本革、合皮、ファブリック)(2)金沢の純金箔入りのデコレーションパネル(3)漆黒のシフトノブと黒と赤のシフトベースなど。このほかにも黒や赤のパーツが数々配され、内外ともに日本的な豪華絢爛を誇る。テーマは「武の美」。
実車は三越日本橋本店南口に展示されている。なぜ三越に? といぶかる向きがあるかもしれない。ぼくもそうだった。でも行ってみて分かった。これは三越の開催するGSJ PREMIUM WEEK
Vol.2(9月1日〜10日)とのコラボレーションだった。GSJとはゲーム音楽をリードするGAME SYMPHONY JAPANの略。期間中は各種展示を始め三越劇場でのコンサートもある。Himiko乱が展示販売されるのは9月2日から3日のほかは9日と10日。
ただし、この特別仕様車販売台数は4台のみ。税込み価格は638万円。
報告:神谷龍彦
写真:光岡自動車
ベースとなったマツダ・ロードスターの全長を70cmのばした。ロングノーズ・ショートデッキの典型。
一言で言って伸びやかな印象。現在の市販車では望むべくもないスタイル。ハードトップの収納も完璧。
フロントグリルの上の七宝製バッジも特別仕様車の証。ホイールアーチの横には「乱」の文字もある。
このように赤と黒、時にグレイを使う。シフトベースのカバーも同じ。シート上部に「乱」の文字も入る。
金沢産の純金を随所に使う。日本的、かつ武をイメージさせるデザインだ。