ポルシェ パナメーラ PORSHE Panamera
あなたの贅沢な夢、叶えます。スポーツGT。

 ポルシェは日本でも好調だ。昨年の販売台数は6887台、過去最高である。7年連続で前年比を上回った。2013年まではカイエンや911シリーズが主体だったが、現在はマカンを中心に(昨年は37%)4ドアシリーズが多くを占める。その4ドアシリーズで最上位に位置するのがパナメーラだ。
 ハイパフォーマンスの心臓たるパワーユニットは4種類。パナメーラと同4シリーズに積まれる3ℓV6ターボ(330ps)、4Sの2.9ℓV6ターボ(440ps)、ターボ・シリーズを武装する4ℓV8ツインターボ(550ps)、さらに2.9ℓV6ツインターボ(330ps)とモーター(136ps)を搭載するハイブリッドである。さらに、ジュネーブショーでは新しいボディのスポーツ・ツーリスモも追加される。
 ターボだからトルクもすごい。それぞれ450Nm、550Nm、770Nm、700Nmの数値を比較的低回転からたたき出す。トランスミッションはすべて8速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)。パワーロスを28%減らし、シフト速度もショックもさらに減らしたという。駆動方式は、パナメーラのFR(ポルシェでは珍しい)以外はすべて4WDである。
 0-100km/h加速は、5.7秒から4.6秒。最速はターボの3.6秒、その最高速は300km/hを軽く超えて306km/hに達する。このあたりはさすがポルシェだ。セダンになってもスポーツ心は微塵も忘れない。ポルシェは言う。「このクルマはサーキットも走れるGTカーだ」と。同じようなことをウリにするメーカーは多いが、ハイレベルで実現するのは易しいことではない。
 エクステリアもやはりスポーツライクだ。何よりも一目でポルシェだと分かるのがいい。エンブレムなど見なくてもだ。それだけ基本ラインが美しい。フロントのエアインテーク(グリル)の位置はずいぶん低くなった。その斜め上に収まるヘッドライトはLED。LEDというだけでは今更驚きはしないが、片側84コ、両側で168コとなるとちょっと驚く。高速になるとせりあがってくる、リアのスポイラーも最初3分割でフツーの1本になる。ボディはすべてアルミパネルになった。
 パナメーラが如何にスポーツ性の高い4ドアかという話をもうひとつ。ニュルブルクリンクで、ラグジュアリーセダン最速の1周7分38秒を記録したという。7年前のことにはなるが、あの911GT3でも7分40だったと言うのだから速いのは間違いない。
 次はGTカーとしての要素。何よりもホイールベースが150mm延びたのが大きい。この結果、リアのレッグルームは110mmも延びた。それでスタイリングに破綻はない。リアシートバックは当然のように可倒式である。リアシート用に二つのタッチスクリーンも付く。ボーズなどのサラウンドシステム(ノイズ補正機能付き)の音もいい。快適そうだ。
 価格は1132万円(パナメーラ)〜2540万円(ターボ エグゼクティブ)。まあ、安くはない。
報告:神谷龍彦
撮影:佐久間健

七五三木ポルシェジャパン社長とポルシェAGのシュテファン博士。発表は東急プラザ銀座店。

フロントグリルは異例に低い。リアサスは高速時/同位相、低速時/逆位相ステアリング。

リアもしっかりポルシェ。ジュネーブショーではもっとルーフの長い新モデルが追加される。

丸型5連メーター。中央が大きなタコメーターというのがスポーツカーらしい。

エクステンダブル・リアスポイラー。最初は3分割だが最終的には一つになる。面白い。

エンジンは、3ℓV6、2.9ℓV6、2.9ℓ+モーター、4ℓV8の4種類。写真はターボV8。


最終更新日:2017/03/05