メルセデス・ベンツのミドルサイズSUV「GLC」にクーペモデルが加わった。基本的には先に出たGLCと変わらないが、例えばフロントグリルがGLCとは異なる横一本だったり(GLCは2本)、グリル自体がメルセデスの他のクーペ同じようだったりと、細かいところでは違う。
でも、最も大きな差は当然ながらルーフだ。これもメルセデスの得意技だが、実にうまくまとめられている。見た目の違和感はない。しかもラゲッジルームはクーペにしては広い(500リッター)。リアシートを倒せば“なんでもござれ”の1400リッターの空間が待ち受ける。床に大きなリチウムイオン・バッテリーを組み込むハイブリッドモデルでも余裕があり、ちょっと無理をすればゴルフバッグ3個を収納できる。
GLCに比べるとGLCクーペは車高が4cmほど低い。しかし、最低地上高はGLCと同じ180mmを確保している。ただ、低くなったぶん後席への乗降時には頭が触れることもある。
エンジンは4種類。まずガソリンは184psと211psの2ℓ直4ターボ、367㎰の3ℓV6ターボ(AMG用)、ディーゼルは2.2ℓ直4ターボ(170ps)、そして2ℓターボ(211ps)にモーター(116ps)を組み合わせ320psのシステム出力を得たハイブリッドだ。ハイブリッドモデルは他のメルセデス・モデルと同じく車名に「e」が付く。
200クーペ/クーペスポーツ以外の駆動方式はすべて4WDである。トランスミッションは7速ATの350eを除けばすべて9速ATだ。また一部車種にはエアボディコントロールという装置も設定されている。これは、ダンピング特性や車高を自動的に調整するエアサスペンション。高速走行時には車高を下げ、荒れた路面では最低地上高を15mm高くすることもできる。
GLCに試乗した経験から言うと、おそらくこのクーペ、乗り心地も操安性も非常に優れていると思われる。価格は一番安い200クーペで627万円、ハイブリッドの350 e 4MATICクーペスポーツが903万円だ。
報告:神谷龍彦
撮影:佐久間健
横のラインが一本だったり、グリル面がダイヤモンドタイプだったり、GLCとは微妙に異なる。
リアの処理は上手い。車高はGLCより40mm低いが最低地上高は同じ180mmを確保した。
ハイブリッドでもゴルフバッグを3個積める。ちょっと無理やりっぽい気もするけど。