マツダ・デミオ、販売を開始

 

──新開発の1.5リッターディーゼルに注目

 

 1996年の登場以来、実用的なコンパクトカー(Bセグメント)として人気を博してきたマツダ・デミオ。4代目が、9月11日に発表された。 発売はガソリン車(2WD)が9月26日、ディーゼル車(2WD)が10月23日、4WDモデルは12月になる。価格は135万円(1.3ガソリン2WD)〜219万2400円(1.5ディーゼルXDツーリングLパッケージ4WD)。

 

 

 新しいデミオが目指したのは、「車の価値はボディサイズに比例する」という既成概念を打ち破ることだと言う。言葉を換えれば、「コンパクトカーだからこの程度でいい」という我慢をユーザーに強いらないこと。以前、話題に上った“小さな高級車”に通じる面もある。これは、デザインはもちろん、走りや機能性にも及ぶ。

 

 

しかし、その最たるものはエンジンだろう。とくに新採用の1.5リッターディーゼルターボ・エンジン(105PS)搭載の6MT・2WDは30.0km/Lという好燃費を手に入れた(AT仕様は26.4km/L)。しかも、ディーゼルの泣きところだった音振に関してはCX-5の2.2リットルディーゼルで実証済み。期待は大きい。


マツダが日本のディーゼル乗用車普及に果たした功績は誰もが認めるところだ。1.3リッターガソリン・エンジン(92PS)も全域でトルクをアップし最高回転数を高めて走行性能を向上させながら、燃費(AT=24.6km/L)は旧モデルレベルに抑えている。

 


 

 エクステリア・デザインの大まかな感じは従来のデミオと大差ない。それでも、フロント部はかなり印象が変わり大胆さが増した。サイズは、全長160mm、ホイールベース180mmも延長されているのに、それほど大きな改善はない。ちょっと残念。


 中心に大型メーターを配したメーター部のデザインも基本的には先代を踏襲する。中央の大型メーターはスピード。ただし、メーターフード前方に車速などを表示するアクティブ・ドライビング・ディスプレイ搭載モデルはこれがタコメーターになる。逆にインパネ全体のデザインは大きく変わった。水平基調になるとともに、ダッシュボードセンター上部に各種情報やナビゲーションを表示できるディスプレイが新たに付いた。


 さらに重要なのは、ペダル配置が自然になったこと。FF車はどうしてもホイールハウスが室内に出っ張り、ペダル配置をセンター方向に追いやるきらいがあったが、今回のデミオではそれがない。


 その理由は、これまで50mm程度だった前輪の前出し量を80mmにしたからだと説明される。これで、長距離ドライブの負担も、ペダルの踏み違えによる危険もかなり減ると思われる。安全装備は、標準かオプションかの違いはあるにしても、レベルとしてはほぼ最先端。この面でも安心できるコンパクトカーだ。


(REPORT/神谷 龍彦)

 


最終更新日:2015/02/09