BMW 740e/760Li
1000万円超のエコカー、値段気にせずの超高性能セダン

 10月13日、昨年の東京モーターショーで日本正式デビューを果たした、BMWのフラッグシップ7シリーズにハイブリッドモデルと12気筒エンジン搭載モデルが加わった。前車の正式名は「740e iPerformance」、後車は「M760Li xDrive」という。
 740e iPerformanceはeDriveを採用したハイブリッドカー。パワープラントは、最高出力258馬力の2リッター4気筒ツインターボエンジに113馬力のモーターを組み合わせる。この2種類のパワープラントから得られる最高出力は326馬力。システムトータルの最大トルクは500Nmに達する。この大トルクを、エンジンでは1550〜4400回転、モーターは停止状態からすぐに発揮するのだから、出足は鋭く、例えば0-100km/h加速は5.4秒でこなす。この大柄なボディの高級車が疾駆するさまは迫力がありそうだ。
 この加速データ自体は先代よりも0.1秒速いだけだが、バッテリーの容量は先代が1.35kWhだったのに対して9.2 kWhと約7倍にもなった。その恩恵は大きい。EV走行ができる距離は7倍の42㎞に、最高速度も2倍以上の140km/hに一挙に伸びた。しかも走行中に100%充電ができる。ヨーロッパはハイブリッドを経てEVの方に進むだろうというのが当日のBMW担当者の見解だった。
 740eは走行モードが3種類選べる。①AUTO eDrive。このモードはモーターとエンジンのベストバランスを追求し、80km/hまではEV走行 ②MAX eDrive。モーターのみで140km/hまで走行。キックダウン操作によってエンジンが始動する。③Baterry Control。充電量を減らさないように効率的な走行をするとともにエンジンによる発電をする。
 リチウムイオンバッテリーは後席の下に、ガソリンタンクをトランクの下に配置することによってトランク容量は420ℓを確保した。また、スマートフォンでエアコンを起動できるし、ライトを消し忘れるとeメールで知らせるなど、最近の電子文化を利用しての利便性の確保も抜かりない。
 価格は、スタンダードが1169万円、M sportが1240万円(税込み)。これで7もシリーズとしては安い!というのがBMWの主張。納車は10月下旬の予定。
 もう1台のM760Li xDriveは12気筒6.6リッター・ツインターボエンジンを積むスポーティ・ラグジュアリー・モデル。最高出力は610馬力、最大トルクは800Nm、0-100km/h加速は3.7秒。思わずひれ伏したくなるような性能だ。チューニングを手掛けたのは車名からも分かるようにBMW M社。同じく車名から分かるように4WDである。価格も思いっきり高目で2420万円。受注は始まっているが、納車は来年の2月の予定だ。

報告:神谷龍彦
写真:怒谷彰久

全長5110㎜、全幅1900㎜のラグジュアリーセダン。大柄なボディにもかかわらずJC08モード燃費は15.6km/ℓ。EVだけで42㎞走行。

リアのデザインはいたってシンプル。さり気なく誇らしさをアピールか。大物喧嘩せずといった趣きがある。価格は1000万円を優に超す。

充電はここから。「ChargeNow」を付帯。全国に8500カ所ある公共充電サービスを初年度は無料で使える。2年目からは月額2500円必要。

デザインの好き嫌いは多少あるかもしれないが、インテリアの仕上げや質感のレベルは文句なしに一級品。世の中、金で買えるものは多い。

ここまで来ると外観も幾分派手さを増す。堂々とした出で立ちの7シリーズのトップエンド、760Li xDrive。2420万円。納車は来年2月。

760Li のV12型6.6リッター・ツインターボ。エンジンもM社がチューニングを担当。610馬力、800Nmはその成果。たぶん凄くスムーズ。


最終更新日:2016/10/16