【新車&NEWS】プジョー3008
4WD、PHEV加えて、最強最善のコンパクトSUVに

 プジョーでいえば、Bセグメントの「2008」がルノー キャプチャーの直接のライバルにあたるが、ここでは1月に日本で発売が決まったSUV「3008」を紹介しよう。全長4450弌濮管1840个離椒妊は当然キャプチャーより少し大きい。ただ、扱いやすいコンパクト(正確にはミドル)SUVであることに変わりない。3008のワールドレビューは2020年の9月だった。このビッグマイナーチェンジのポイントは、内外装デザインや運転支援システム(ADAS)の強化、プジョー初のプラグインハイブリッド4WD「GT HYBRID 4」の新設定だ。

レーンの中での走行位置を自由に設定できる

 フロントマスクの印象は大きく変わった。グリル自体もそうだが(内部の粒が小さくなった)、最も大きいのはグリルフレームが消えたことだ。ライト回りにも手が入る。多くのプジョー車が採用しているサーベル(セイバー)と呼ぶデイタイムランニングライトを選んだ。リアフォグ点灯時に光度・角度を自動調整するフォグモードや、スタティックコーナリングライトを備えたフルLEDヘッドランプである。
 リアは3連(ライオンの爪がモティーフ)のLEDリアコンビの意匠をより立体感のあるものにし、ウインカーを点灯時に光が流れるシーケンシャルタイプに変更している。
 インテリアは新しいタイプの「i-Cockpit」。デジタルメーターパネルに12インチ大型ディスプレイを採用。小径ステアリングの採用によってメーターはステアリングの上から見られる。センターコンソール中央には7つのトグルスイッチが並ぶ。とかくデジタル化が進む中、こうしたアナログ・スイッチは個人的には大歓迎だ。シートも全グレード新しいものタイプにした。
 装備では、ADASにプジョーの最上級モデル「508」と同等のものを採用したのが目新しい。自動車、二輪車、歩行者に対応して夜間検知機能付きの自動緊急ブレーキや、全車速対応型のアダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポットモニター、車線維持支援機能、インテリジェントハイビームなどだ。
 と、ここまでは他社にもあるが、プジョーの新レーンポジショニングアシストはもっとユニークだ。これは、左右任意の白線を選んで走行位置を右寄り左寄りに無段階で設定できるシステム。実際の有効性はよくわからないが発想・技術としては新しい。人生と同じで、何でもかんでも真ん中を走っていればいい、というものではないだろうし。

GT HYBRID 4は前後モーター付きで520Nm!

 新設定・最強GTハイブリッド4は、ガソリンエンジンと2基のモーター、走行用バッテリー、外部からの充電システムを組み合わせたPHEVである。エンジンは1.6リットルガソリンターボをベースに高回転・高出力化を図ったもので、最高出力200ps、最大トルク300Nmを発生する。さらに、前に110ps/320Nm、後ろに112ps/166Nmのモーターを内蔵し、システム全体での最高出力は300ps、最大トルクは520Nm(!)を発生する。0−100km/h加速は5.9秒でこなす。駆動方式は原則としてFF、HYBRID4は4WDになる。
 このほかのパワートレインには1.6リットルガソリンターボ(180ps)と2.0リットルディーゼルターボ(177ps)がある。組み合わされるトランスミッションは8段のATに進化した。単にスムーズさを向上させるだけでなく、ヨーロッパで特に厳しい排ガス問題に対応するためでもある。
 ドライブモードは全4種類。効率よくエンジンとモーターを使い分け、あるいは併用するデフォルトモードの「ハイブリッド」と、ダイナミックな走行のためにエンジン主体で駆動する「スポーツ」モード、常に前後輪を駆動させてトラクションを高める「4WD」モード、そして電気のみで走行する「エレクトリック」モードを用意した。4WDとエレクトリックの2モードについては、車速が135km/h以下の状態で作動する。
 このパワートレインに電力を供給するバッテリーの容量は13.2kWhで、WLTCモードで64km、JC08モードで69kmを電気だけで走行できる。充電は普通充電のみで、200V/3kWでは約5時間、200V/6kWでは約2時間半でバッテリーを満充電できる。
 この新モデルの追加に加え、今回の改良では1.6リットル・ガソリンターボエンジン搭載車の燃費も改善。WLTCモードで15.6km/ℓ(従来型は13.4km/ℓ)、JC08モードで17.5km/リッター(同15.0km/ℓ)と、従来型から大幅な性能向上を果たした。
 価格は、ガソリン:397万6000円 ディーゼル:432万円 GTは439万2000円〜(GT HYBRID:565万円)。

ところで──。
 グループPSAにはさらにニュースがある。
●一昨年末にアナウンスされていたように、イタリアのFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)との合併を終了した。さらにオペル/ボクスホールをGMから買い取って傘下に加えた。新社名はステランティス(STELLANTIS)N.V.と言う。
●プジョーのロゴが新しくなった。ライオンである点は変わらないが全身から横顔のアップに変わった。これで11代目。ちょっとコワイ印象を受けるのはボクだけか。
●2020年末のプジョー・リフター(姉妹車のシトロエン・ベルランゴは本WEB欄既報)などもあるが、本命の新型308がこの3月18日に公開された。パワートレインはPHEV、ガソリン、ディーゼルの3種類。新型308については近々改めて報告したい。そのフロントには新しいライオンロゴが輝く。日本導入はまだはっきりしないが年末頃と予想される。

報告:神谷龍彦
写真:プジョー

グリル内部の粒が小さくなり、フレームも消えた。デイタイムランニングライトなどでより立体的に。

ビッグマイナーだからサイズは前期型と変わらず。プラットフォームは軽量高剛性のEMP2。

足をリアバンパーの下に入れればゲートが開く電動フリータイプ。このリアランプのデザインは出色。

プジョー独自のi-Cockpit。小径ステアリングの奥にメーターが見え、シフトレバーとの距離が近い。

シートも一新した。これはGT HYBRI 4のもの。グレードは大きくアリュールとGTの二つ。

後席は6:4分割式。ラゲッジルームは591から1670リットル。PHEVの充電口は左後方にある。

3月18日に発表された新型308。従来とは異なるロゴマークのデザインが新世代であることの証拠だ。


最終更新日:2021/03/22