【新車&NEWS】ルノー・ルーテシア
クラストップの実績にさらに磨きをかけた

 10月に日本で発売される予定の5代目ルーテシア(現地名クリオ)の情をがルノー・ジャポンが一部オープンにした。サイズは4075×1725×1470mm、ほんのわずかだが先代よりは引き締まった。パワートレーンは直列4気筒1333cc(96kW=131ps)。1.2リッターと1.6リッターだった4代目とは違う。ちなみに5代目には、R.S.スタイルはあるらしいがR.Sというモデルはないと説明される。グレードは注文生産のZENのほか、INTENS、さらに装備を充実させたINTENS Tech Packの3タイプ。

時代とユーザーにしっかり寄り添う装備

 エクステリアは相変わらずエレガントかつ個性的だ。Cシェイプのシグネチャーが印象的なLEDヘッドライト(先代のハイビーム、フォグ、コーナリング3連ランプのデザインは消えた)とリアランプ。前後ともにより人間らしい温かみを感じるデザインにアップデートされ、存在感が高まっている。とは言え、全体の印象としては大きく“変わった感”は少ない。

 インテリアは人に寄り添う「スマートコクピット」路線を継承つつ進化。スイッチやレバーを必要最小限に抑え、手に届きやすい範囲に配置した。トランスミッションはスポーツ性と快適性を兼ね備えた電子制御7速AT(7EDC)。シームレスな加速、EDCのダイレクト感は、快適かつダイナミックな走りをもたらす、とルノーは言う。パドルシフトも備えているから、意のままのマニュアル変速もできる。
 インフォテインメントシステム「EASY LINK」を搭載した7インチマルチメディア。スマートフォンとの連携を可能にするミラーリング機能により、使い慣れているスマートフォンのナビゲーションや音声入力を利用できる。
 オーディオはBOSEのサウンドシステム(9スピーカー)をコンパクトカークラス唯一標準装備する(INTENS以上)。レザーシート仕様もある(INTENS Tech Pack)。
 ラゲッジルームの容量は391リッターでクラス最大級。アンビエントライト、7インチデジタルインスツルメントパネル、ハンズフリーカードキーなどを搭載し、従来のコンパクトカーの枠に収まらない快適性とユーティリティを実現した、とメーカーは自慢気だ。

安全運転支援システム、いまや不満なし

 どちらかというと多少手をこまねいていた感のあった安全運転支援システム(ADAS)も大きく前進した。すべてのグレードに共通するのは、アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)、歩行者・自転車検知機能付アクティブエマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、リアカメラ、オートホールド機能付電動パーキングブレーキだ。
 INTENSになると、これらの装備にオート・ハイ/ロービーム、ブラインドスポットワーニング(後側方車両検知警報)、さらに4輪操舵機能を活用して走行モードを選べるルノーお得意のマルチセンスが付く。
 最上級のINTENS Tech Packではレーンセンタリングアシスト(車線中央維持支援)、360°カメラ(日産のアラウンドビューモニター)などが充実装備として付く。
 ルーテシア、いいクルマである。パワーはあるし、操縦性も乗り心地もいい。その割にはもうひとつ日本でもっと評価されれてもいい。少しばかりユニークなエクステリアデザインは好みの分かれるところだろうが……。

報告:神谷 龍彦
写真:ルノー・ジャポン

先代のハイビーム、フォグ、コーナリング3連ランプデザインは消えたが、十分に個性的な目つきだ。

初代の登場は1990年。5代目は昨年の東京モーターショーに展示された。INTENS以上は17インチ。

かなり個性的と言えるフロントデザインに比べるとリアスタイルおとなしい。

インスツルメント中央の縦長のディスプレイが目立つ。ADAS関係は主にここに表示される。

何種類もエンジンはあるが、10月に日本に導入されるのは1.3リッターターボ。


最終更新日:2020/09/13