フルモデルチェンジしたマツダの3代目「CX-5」に横浜市内で試乗。眺めて触れて乗ることで喜びと感動を提供する「エモーショナル」、多様なシーンで乗る人全てに快適な移動を提供する「デイリー・コンフォート」、日々の新しい体験を広げる機会を提供する「新世代価値」の3つの魅力を突き詰めたという新型の走りを紹介する。
先代と相似形のボディデザイン
新型のボディーサイズは全長4690mm、全幅1860mm、全高1695mm、ホイールベース2815mm。フロントはボンネット先端を50mm高くするとともにロアグリルを左右に広げたことでワイド感を強調し、左右L字型2眼のヘッドライトと合わせて堂々とした“顔”つきになっている。一方でボディー全体を見ると、一目でCX-5とわかるように先代のプロポーション比率を相似形的に拡大したという。先代と比べると全長で115mm、全幅で15mm、全高で5mm、ホイールベースで115mm大きくなった。全長とホイールベースが全く同じ115mm伸びたということは、そのほとんどがキャビンの空間(後席とラゲッジの空間)に充てられたということだ。
試乗車のインテリアは、美しいスポーツタンカラーのレザーシートを採用していて、水平基調のシンプルな運転席のデザインとマッチしてマツダらしい上質感が伝わってくる。静電ステアリングスイッチ付きのステアリングホーンパッドには新しい「MAZDA]のワードマークが配され、コックピットセンターには15.6インチの大型ディスプレイを装備(グレードによって12.9インチモデルもあり)。真四角で大きなものだが、運転席に座ると視界を邪魔しない位置に装着されているのがわかる。
ホイールベースと全長を115mm伸ばした恩恵は、後席とラゲッジに振り分けられている。席に座ると、膝前に機内持ち込みサイズのキャリアケースを置けるほど前席との間が確保され(先代+64mm)、さらに頭上空間が大きく開いているので、上位モデルに引けを取らないほどのゆったり感が味わえる。ラゲッジルーム(容量466L)も45mm伸びて開口部が18mm下がったことで、ベビーカーを縦に置けたり、ゴルフバッグを4つ押し込めたり、重いクーラーボックスなどを簡単に載せたりすることができる。
MHV一択のパワートレイン
パワートレインは、131kW(178PS)/6000~6200rpm、237Nm/3800~4000rpmを発生する高回転型の2.5L水冷直4DOHC16バルブエンジンに、4.8kW(6.5PS)1000rpm、60.5Nm/100rpmを発生するモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステム一択(WLTCモード燃費14.2km/L)。首都高横羽線のアップダウンのあるコーナーを走ると、軽い操舵力ながらも正確なフィードバックを伝えてくるパワステの制御もよく、スポーツモードに入れると乾いた軽快なエンジン音を発しながら、結構なスピードでも安心して駆け抜けられる。一方で、例えば上り坂で高速道路に合流する時、本線を流れるスピードまで一気に加速したいような場面では、もうちょっとトルクフルであればな、と思ったのも確か。先代で好評だったパワフルかつ経済的なクリーンディーゼルモデルがカタログ落ちしたのは残念だが、この辺りは来年登場するストロングハイブリッドモデルがカバーすることになるはずだ。
これまでのマツダ車とは味付けが全く異なる足回り
試乗したロジウムホワイトメタリックのLグレードは、436万1500円の本体に、ボディ同色のパーツを取り付けた(オプション合計59万8902円)4WDモデル。試乗会のベースとなったのは横浜市内にあるマツダの施設で、出口のすぐ先に踏切や橋があってしかも路面が荒れているので、出発してすぐに足回りの味付けが分かるのだ。伝統的にスポーティなサスペンションを搭載することが多いマツダ車の中にあって、今回の新型はそこで「オオッ」と声が出るほどソフトなセッティングになっている。レベルで言うと、2〜3段ほどもスムーズになっている感じ。国内の道路環境や交通環境に合わせてダンパー性能を徹底的に解析し、初期応答を極限まで高めた上でバネレートを低めにしたことで、路面からの突き上げを抑えることに成功したようだ。これなら後席に陣取るファミリーから不満の声は上がらないはず。音が伝わる穴という穴を徹底的に塞いだことで、静粛性も文句なしだ。
ザ・ファミリカーとしての資格十分
安全面では、Aピラーを前モデルから9mm細形化したことで、車両間隔が掴みやすい安心な前方視界を確保。またワイパーの作動域がガラス幅いっぱいまで広がったことで、雨の日の視界も広がった。
モニターに再生できる画像面では、新型は3Dカメラビューやシースルービューでの床下透過機能、サイドビューでのドアミラー格納時の再生機能が追加され、より安全になっている。特にシースルービューは、バックで駐車する際に車輪止めまでの距離が目で確認できるので、とても便利だなと思った。
またGoogle機能を搭載したことで、音声認識のレベルが一気に向上。ステアリングを保持したまま視線を落とすことなく音声でさまざまな機能(空調、オーディオ、ナビ)が呼び出せるのは、安全面でも大きな進化だといえるだろう。
結論から言うと、新型CX-5は「ザ・ファミリーカー」。330万円から始まる価格も魅力の一つだ。
報告:石原 彰











