トヨタ RAV4 Adventure

「次はどこへ行こうか」 そんな気にさせてくれる週末の相棒

全幅1865个肋さな数値ではないが、見切りのしやすいボディのお陰で一般道での扱いにくさは少ない。

乗り心地はかなりいい。重厚さとソフトさのグッドバランス。家族を乗せてもまず不満は出ないだろう。

エクステリアではかなりSUVらしさをアピールするが、インパネは乗用車ライク。荒々しさはない。


スピードメーターの外目盛りの色はモードによって変化する。レッドはスポーツ、グリーンはエコ。

丸いスイッチが「MUD&SAND」「NORMAL」「ROCK&DIRT」が選択できるマルチテレインセレクト。

適度なホールド感のあるフロントシートはAdventureに標準装備(オーキッドブラウンは要指定)。


※画像クリックで拡大表示します。

 今夏、トヨタディーラーが主催するオフロード走行会を取材する機会があった。
 試乗車両は、ランクル200や150プラドをはじめ、ナナマルそしてハイラックス。いずれもトヨタ自動車が誇る本格オフロード四駆だ。ヒルクライムやヒルダウン、キャンバー、モーグルそしてダートで構成された10分ほどの特設コースを、先往く兄たちの背中に “何とか” 追いつこうとするが如く、新型RAV4は駆けていた。それは「好きにまみれろ!」ならぬ、「泥にまみれろ!」と言わんばかりの走りだった…。
 この試乗会での走りを目の当たりにしてからというもの、新型RAV4は気になる4x4&SUVの一台として、私の脳裏にしっかりと刻み込まれた。そしてオンロード限定ではあったが、新型RAV4のステアリングを握る機会に巡り会えた。

トヨタの最新技術に加え、四駆らしいフォルムと走りを手にした

 個性的なフェイスとフォルムを持ったRAV4が、センセーショナルなデビューを飾ったのは、1994年5月のこと。本格四駆が闊歩していた時代に、シティユースを掲げるRAV4は異質だった。今思えば、オンロード性能に重きが置かれる現代のSUVの先鞭を着けた存在だったとも言えよう。一方で車両重心が低いこともあって、ダート走行も得意としていた。実際にダートの競技会でも活躍していたほどだった。
 2代目以降、RAV4は海外市場を視野に入れロングボディ化。個性的なキャラクターは影を潜め、2016年7月を最後(3代目RAV4)に国内マーケットから姿を消し、4代目RAV4は欧米を中心に販売されてきた。
 そして2019年4月。5代目となる新型RAV4は、リアのトルク配分を左右独立で制御し最適化する「トルクペダリング機構」等を採用した新開発となる4WDシステム「ダイナミックトルクペダリングAWD(Adventure/G“Z Package”に標準装備)」を搭載。さらに駆動力、ブレーキ、ステアリングそして4WDを統合制御するAIM(AWD Integrated Management)と呼ばれる4WD統合制御システムによって、優れた操縦安定性や高い悪路走破性を実現。四駆らしい力強さと、今どきのSUVに求められるスポーティな走りを手に入れフルモデルチェンジを果たし、再び我々の前に姿を現すこととなった。

高いスポーツ性能とコーナリングの安定感

 今回試乗した車両は、新型RAV4(ガソリン)の最上級グレード「Adventure」。ボディサイズは全長4610×全幅1865×全高1690mm(G“Z package”/G/Xは、全長4600×全幅1855×全高1685mm)、総排気量(ガソリン車)はいずれも1986ccで、これはNISSAN日産エクストレイルをはじめ、SUBARUフォレスターやマツダ CX-5、ホンダ CR-Vなど、国産車だけを見渡しても、強力なライバルたちがズラリ顔を揃える。
 さて、2リッター直列4気筒エンジンを搭載する新型RAV4の走りだが、オンロードでの走りはまさに秀逸。立ち上がりからの鋭い加速、そして急な上り坂では重量1630kgの車体をグイグイと引き上げていく。新開発となるCVTとの相性も良好で、マニュアルシフト操作時のレスポンスもいい。
 さらにレーンチェンジやコーナリングでも、終始安定した走りを提供してくれた。特にコーナリング時では、ブレーキ制御によって、内輪に制動力を付与して曲がりやすくするACA(Active Cornering Assist)制御と呼ばれる技術が、この安定した走りに大きく貢献している。さすがに欧州車然とした走りとまでは行かないが、ラフロードでの走りを想定していることを考えれば、これで十分と評価できるだろう。
 安定感がもたらす安心と、スポーティな走り。新型RAV4は、走ること、そして操ることの愉しさを覚えさせてくれる。
 
見切りの良いフォルムと家族旅行に十分な室内空間

 SUVの購入を検討する際に、どうしても挙がる話題のひとつが「とくに女性にとっては、大きく感じてしまうボディサイズ」だ。助手席や後部シートに座れば、ヘッドクリアランスの広さやアイポイントの高さから、開放感を感じさせてくれるボディサイズ(形状)も、女性にとっては「大きいクルマ」という先入観を与えてしまいがち(ちなみにノア・ボクシーの全長は4710mm、プリウスは4575mm)。
 しかし、新型RAV4の角張ったボディと適度な位置に抑えられたインストルメントパネル、低く設計されたボンネットなどによって、前方視界は開け、見切りがいい。約180cmの私からすると、ボンネットの先端まで見渡せるような感覚なのだが、女性にとっても、この四駆らしい形状に慣れてさえしまえば、むしろ丸みを帯びたイマドキのクルマよりも扱いやすいと、新型RAV4は感じさせてくれるはずだ。
 キャンプ道具やアクティビティーギアを載せるに十分な室内空間。トヨタの最新技術による高いスポーツ性能。雪道や砂、林道走行といった路面状況に応じてモード選択が可能な「マルチテレインセレクト」システムと道を選ばぬ走破性。そして車両に守られているな、と感じさせてくれる高剛性のボディ……。新型RAV4は、カーライフのフィールドを拡げ、走る愉しさを発見させてくれるはずだ。

報告:水島 仁
写真:怒谷彰久

<水島 仁> 最終更新:2019/10/09