ミニ
MINI

ミッドにセットすると乗り味がクーパー3ドアより相対的にマイルドなのは意外。バネ上荷重との関係もあるのか?

リヤランプの中にユニオンジャックの片側が見える。S以上のエキパイはセンター2本出し、他は1本出し。

ホイールベースが短い3ドアは、新型7速DCTの採用もあってかなりスポーティ。ジムカーナ感覚は健在だ。


コンバーチブルのエンジンはすべてガソリン、試乗車は192psのSだったが、231㎰のワークスも選べる。

エンジンはガソリン4種類(102ps〜231ps)。ディーゼルは2種類(116ps/170ps)選択肢が広いのも魅力だ。

7速DCTは小気味よくシフトチェンジできて楽しい。8速ATはシフト間隔が少なくなった分スムーズに。


※画像クリックで拡大表示します。

 今回のマイナーチェンジはエクステリアが中心。ロゴが新デザインとなり、LEDデイライト下端がつながる楕円状になった。機能面ではトランスミッションの変更がメインだ。
ジョン・クーパー・ワークス
電子制御サスのおかげか乗り心地はソフト

 大きな変更点はトランスミッションが8速スポーツATとなったことだ。従来は6速ATだったが、この部分が走りにどう影響するのかは興味深いところ。
 まず走り出してアクセルをぐっと踏み込むと2リッター直4DOHCツインパワーターボエンジン(最高出力231ps/5200rp、最大トル320Nm/1450〜4800rpm)が、1290kgのボディを軽々と引っ張っていく。
 ドライビングモードは「スポーツ」「ミッド」「グリーン」から選択できる。今回、時間の関係もあり「ミッド」だけでの走行となったが、新採用のトランスミッションは、多段化したこともあり、コンコンと小気味よくシフトアップしていく。いわゆるトルコンATだが、アクセルレスポンスも良く、ひんぱんにロックアップしていることが感じられた。ちなみに「スポーツAT」というのは、ロックアップ制御、反応の速さ、シフトダウンのブリッピングが特徴となる。
 走りの方は、ゴーカートフィーリングを謳うが、BMW的な優等生ぶりを見せてしなやかな印象だった。オプションの18インチのアロイに205/40R18のランフラットタイヤだったので、硬さについてはちょっと覚悟していたのだが、オプションの電子制御サスペンションのおかげもあるのだろう。ステアリングからのインフォメーション、踏んだだけカッチリ減速するブレーキフィールなどは、BMWのお得意のところで、MINIもその恩恵を十分に受けているように感じた。
MINI クーパー3ドア
タイヤサイズのせいか予想より硬い

 MINIクーパーのラインアップでベーシックともいえるのが「MINIクーパー3ドア」。トランスミッションに7速DCTを採用した。これは見た目だけではなく、走りに影響を与える部分だけに興味があるところだ。
 エンジンは1.5リッター直3DOHCツインパワーターボ(最高出力136ps/4500rp、最大トルク220Nm/1480〜4100rpm)となる。同日にジョン・クーパー・ワークスの231psを体感してしまっているために、アクセルを踏み込んでもパワフルという感じではないが、必要にして十分といえる。
これは以前と同じ印象だが、3気筒ならではの振動も良く抑えられている。従来の6速ATから7速DCTとなったトランスミッションは、ダイレクト感があり、変速時も気持の良いものだ。2軸のクラッチを持つため、1軸で走行しながら、もう1軸では次の変速の準備をして待っているからスパッ、スパッとシフトチェンジができ、マニュアルモードでシフトセレクターを操るのも楽しい。
 ただ、205/45R17というタイヤサイズもあるのかもしれないが、どうにも乗り心地が硬かった。とくにリヤシートに座っていると突き上げで尻が浮くような感じもあり、ちょっときつい感じ。
ステアリングフィール、ブレーキフィールなどは優等生的なだけに、目立ってしまったのかもしれないが、ホイールのインチダウンで大分印象が変わるように思う。15インチ程度のホイールの方がかえってMINIらしいのではないだろうか?
MINIクーパー Sコンバーチブル
乗り心地はしなやか。貴重なBセグメントオープン

 Bセグメントにぎりぎり収まるサイズとして、オープンエアが楽しめる貴重なクルマがMINIのコンバーチブル。
 今回試乗した「MINIクーパーSコンバーチブル」のポイントは、意匠の小変更に加え、トランスミッションが6速ATから7速DCTに変更されたこと。搭載されるエンジンは2リッター直4DOHCツインパワーターボエンジン(最高出力192ps/5000rp、最大トルク280Nm/1350〜4600rpm)でスペックは従来同様。ジョン・クーパー・ワークス(231ps/320Nm)と同じく2リッターだが、圧縮比やピストンでそれほど攻めていない仕様のいわゆるデチューン版だ。
 これだけのパワーとトルクがあれば、走りに不足は感じない。後席に座った小早川隆治会員の帽子が飛ばないように、右足をコントロールしながら走るが、そういう走り方が一番適しているように思った。
 7速DCTは発進時やシフトチェンジ時にもスムーズで好印象。クルマの性格上マニュアルモードでカチャカチャというよりは、Dレンジに入れっぱなしのクルージングが適しているだろう。
 意外だったのは乗り心地のしなやかさ。タイヤが205/40R18のランフラットだったので、コンバーチブルとの組み合わせはどうか?とも思ったのだが、同日に乗ったMINIクーパー3ドアの硬い印象とは大分差があった。もちろんボディの剛性感は保たれているので、この辺は味付けの妙なのだろう。

報告:飯嶋洋治
写真:怒谷彰久

最終更新:2018/06/18