日産 エクストレイル

ライフスタイルを広げるオールラウンドSUV



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 2世代目にスイッチしたエクストレイルは、タフに使えること、オールラウンドに走れることという、先代のコンセプトをそのまま引き継ぎながらネガティブなところをすべてブラッシュアップした。キャビンスペースと取り回しやすさを両立させる“丁度いいサイズ”を実現させたため、リアシートの乗降性に不満が残るなどいくつかウィークポイントもあるが、その装備や走り、そして価格帯を考えると、むしろ、よさのほうが引き立ってくる。

 その走りはエンジンの特性をうまく引き出すCVTとの組み合わせによって、ドライバーの意図どおりの走りを可能にしてくれるもの。乗り心地はストローク感をうまく生かしており、兄弟車のデュアリスよりもゆったりとした感じが強い。ハンドリングは、シーンによらず、オールモード4×4iとVDCによって、ドライバーが意図したどおりのラインをトレースするが、あまりの優等生ぶりに違和感を覚えるほど。ただし、雪道においては、先代のオールモード4×4で見られたオーバースピードによってアンダーステア→オーバーステアへと転じる挙動が消え去っており、その恩恵を強く感じた。オフロード走破性は、上り斜面のモーグル(凹凸)地形などでは限界があるものの、意外なまでの走破性を披露してくれる。

 エクストレイルのオールマイティな性能はオーナーのライフスタイルを大きく広げてくれるものばかり。そう、SUVのポイントである、“可能性”を多く持ったモデルと言える。

(リポート:吉田 直志)

最終更新:2010/04/23