勢いづくメルセデス 新型Cクラスに早くもステーションワゴン登場

道田 宣和

 10月1日、発表会の冒頭でメルセデス・ベンツ日本の上野社長が胸を張った。消費増税もものかは、年初以来好調裡に推移してきた弊社の販売はこの9月、ついに単月として過去最高の約8000台に達したのだと。

 思えば、去年のAクラスからメルセデスは怒濤のような新車攻勢を展開してきた。それも昔なら10年に一度あるかないかというほどの、大々的なモデルチェンジばかりだった。7月に全面刷新されたCクラスセダンもその典型。ボディシェルの約50%がアルミで構成されるのは量産車として異例だが、それだけでなくSクラスに準じる形で導入され、いざという時にはドライバーに代わってスロットルとブレーキ、ステアリングを機械自身がアシストする先進の安全運転支援システムは、まさに“クラス”の垣根を超えた真の豪華装備と言えるだろう。当然ながら、これらはそっくりそのままステーションワゴンにも受け継がれている。

よりワゴンらしく

 利便性の向上は、リアシート以降に集中している。ラゲッジルームのキャパシティは定員(5名)乗車の状態で旧型比20ℓ増しの470ℓ、後席を畳んだ状態で最大の1490ℓとこれも25ℓ増したが、実はそのシートそのものも使い勝手が大いに高まっている。バックレストはもともと60:40の分割可倒式だったが、新たに“60”の部分がさらに40:20と分割可能になり、結果、前後に4人が乗った状態でもスキー板など長尺物の積載ができるようになった。ちなみに、バックレストの前倒しは電動で、ボタンひとつでロックが解除される。

 メルセデスの常で、いずれさらなるエンジンバリエーションが追加投入されるはずだが、それでも当面用意されたのは全7車種とやや多め。C180ステーションワゴン(1.6ℓ直4直噴ターボ)の442万円から手に入るが、これは受注生産の形を採っている。主力は同アバンギャルド(528万円)、同スポーツ(573万円)、C200ステーションワゴン アバンギャルド(2.0ℓ直4直噴ターボ/559万円)、同スポーツ(604万円)、同本革仕様(641万円)あたりで、ほかにC250ステーションワゴン スポーツ(2.0ℓ直4直噴ターボ/724万円)がある。今回オプションパッケージを廃止し、代わりにラインナップの数そのものを増やした結果だが、これも販売好調なるがゆえの対処なのかもしれない。
(report & photo=道田宣和)

六本木のメルセデス・ベンツ コネクションに時ならぬ熱気が。上野社長(右)の隣りはご存知メルセデスのF1パイロット、ニコ・ロズベルグ選手とIWCシャフハウゼンのマニュエル・ブランデラ氏。当日はインヂュニア・クロノグラフ“ニコ・ロズベルグ”ウォッチの発表も兼ねていたから。

テールゲートの開閉は運転席やエレクトロニックキーのスイッチで自動的にできるほか、ゲートそのものに備わるスイッチや足をバンパー下に近づけるだけで作動するハンズフリーアクセスでも可能。


最終更新日:2014/10/05