溶接機器・技術の展示会見学報告

飯塚 昭三

1.内容: 「第3回ART-HIKARI&NACHI技術開放展」
2.日時: 1912年2月9日(木)/10日(金)
3.場所: ART-HIKARI株式会社 館林工場
群馬県館林市大谷町2918番地

溶接機器メーカーのART-HIKARI株式会社の社長より植木理事に「RJC会員にも見てほしい」旨の案内のあった「第3回ART-HIKARI&NACHI技術開放展」を見学してきた。基本的には溶接機器のユーザーであるメーカーの技術者を対象としたもので、RJC会員と取引関係にあるわけではないが、自動車にとって欠かせない溶接技術の動向を見るのは、技術知識の向上のためにも役に立つことであると思われ、見学させていただいた。

会場は館林市のアートヒカリの工場内で、各種溶接機器および関連機器とその一部のデモ実演が行なわれていた。最もウリにしていたのはNACHI製ロボットに搭載したシーム溶接機(ロボシーム)でこれは自動車の車体や燃料タンクの製造に適応したものだという。最新のロボットとともにアルミニウムのシーム溶接を可能としている。そのほかにも各種のシーム溶接機が展示され、実演も行なわれた。

もちろんスポット溶接ロボットもあり、世界最速スポット溶接ロボットは従来比で30%のサイクルタイム短縮がなされているという。旋回干渉半径も世界トップクラスで、消費電力も従来機より15%軽減されているとのこと。またポータブルサーボガンは上から吊るした機器を作業員が手動で行なうものだが、サーボ加圧によるトランスを内蔵しており、ステンレスのスポットほか亜鉛鉄板もよく付くという。

溶接機ではないが、「視覚装置内蔵型ランダムピッキングロボットセル」が展示、実演されていた。これは視覚機能を持ったロボットが、バラ積みされた部品をつかみ出して指定の場所に方向を揃えてセットする機器だ。その他関連会社の製品、技術展示もあった。

こうした溶接機器も確実に進化している様子が感じられた。それは使用メーカーの生産性向上ばかりでなく省資源、ひいては地球環境の改善にもつながることで、意義ある進化と感じた次第だ。


最終更新日:2012/03/09