メーカー・コンフィデンシャル
大きな夢と希望をコンパクトな建物に、いすゞプラザ(藤沢)。

 見やすい、明るい、キレイ。およそこの手の展示施設とは異なる。ついでに言えば10人ほどいる女性説明員のゲストとの距離感もとってもいい。
 いすゞが創立80周年を記念する事業のひとつとして開業したのがこの「いすゞプラザ」だ。場所は藤沢いすゞ工場の近く。電車の最寄り駅は小田急江ノ島線などの湘南台、クルマだと圏央道の海老名か横浜新道の戸塚。ちょっと分かりにくいきらいはあるが、内容は充実している。
 展示はトラックが中心になる。テーマは「働く車に触れてみよう」、「トラックができるまでを知る」、「いすゞの歩み」などだ。
 最初の展示物は1920年代のウーズレーCP型トラック。これは"なるほど"と感心して歩を進める。と、「運ぶを支える町」のジオラマが現れる。これが凄い。24時間を体現できるシステムで、クルマが動く! 救急車も消防車も走る。電車ももちろん動く。夜にはライトが点灯する。見ていて飽きないが、適当にして次に行こう。
 「いすゞの今を感じよう!」コーナー。ここでは現在のいすゞの代表的トラックに触れることができる。運転席にも座れる。陸上自衛隊のSKWトラックもある。その先にはいくつものディーゼルエンジン。その大きさに驚く。
 エスカレーターで2階に上がる。ここではトラックができるまでを学べる。臨場感ではもちろん実際の工場見学に敵わない。でも分かりやすさの点では騒音や周囲に気を配りながら歩くよりこのほうがいいかもしれない。ラインのミニチュアモデルを見ると過程や作業が理解しやすい。
 一部の展示を省略して、最後はいすゞの歴史に。歴代トラックはもちろん1950年代から生産していた乗用車もならぶ。1874年にワールドカー構想のもとに生まれたジェミニも展示されているが、これはあの"街の遊撃手"で話題になった2代目ではないのがちょっと残念。稀代の名車「117クーペ」の初期型も展示されている。個人的にも懐かしい。
 4月11日から一般公開。月曜〜金曜日は予約制。土曜日と祝日は自由見学。日曜日と夏季休暇、年末年始は休館。
問い合わせはTEL0466-41-5811。
http://www.isuzu.co.jp/plaza

1階はトラックの展示がメイン。2階には歴代のトラックや乗用車、製造過程などを展示する。

タイで生産されるD-MAXは同国のベストセラー・ピックアップ。三菱トライトンなどがライバル。

陸上自衛隊で使われている万能型トラック。ダメもとで陸自に頼んだらあっさり貸してくれたとか。

ご自慢のジオラマの一部。夜には町にも車にも明かりが点く。クルマが動くジオラマは珍しい。

2階のトラックが出来るまでのミニチュアモデルは分かりやすい。体験ゾーンも用意されている。

いすゞプラザのすっきりした外観。企業カラーの赤は燃え上がる太陽の炎を象徴する。

報告:神谷龍彦

 

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