2004年次活動報告

■トヨタ福祉車両勉強会
2004年11月25日(木) トヨタ自動車主催

MEGA WEB「トヨタユニバーサルデザインショウケース」(東京)
●高齢化社会における福祉のクルマのあり方に加え、障害を持つ方々の自立を支援する上で福祉のクルマに対する期待は大変大きなものとなっている。これまで福祉のクルマと言えば「乗せてあげる」方式のクルマが多数であったが、トヨタ自動車は自立を支援する福祉のクルマへも力を注ぎ、本来の福祉のクルマのあり方を目指してまた一歩前進した印象を持った。
 当日は、「ユニバーサルデザインについての解説とデモンストレーション」「介護車両・福祉に関するコンセプトカーの見学と解説」「自操式福祉車両の試乗」を行った。なかでも「ユニバーサルデザインについての解説とデモンストレーション」は、ユニバーサルデザインの目指すことと、福祉にかかわることの違いと接点の認識が理解でき、大変有意義であった。また、自操式福祉車両はこれからトヨタが本腰を入れて開発を進めることが垣間見られるもので、大いに期待できるものであった。

 


■マツダ水素ロータリーエンジン勉強会
2004年10月8日(金) マツダ主催 マツダ横浜研究所(神奈川県)

●燃料電池自動車の研究が各社によって進められている中、マツダは水素をそのまま燃料として利用するシステムの開発を行っている。燃料の選択に幅のあるロータリーエンジンと、燃料としての水素の相性が良いのかどうかはまだ結論を見ないが水素を直接燃料として、クルマを走らせることができるまでに到達している。10月8日マツダ横浜研究所において開催された勉強会は昨年来開催をお願いしていたもので、昨年モーターショーに参考出品されて以降、開発がさらに進んだことを受けて開催して頂いた。
マツダの水素ロータリーエンジンの特徴は、水素を直接燃料とすることと、従来のガソリンも燃料とすることができる、デュアルフュ-エルシステムを採用していることにある。これによって、水素の供給が可能な地域内だけでなく、供給可能地域をまたいで走行することができ、移動範囲を広くすることも可能となっている。現在、水素ロータリーエンジンの出力は本来のガソリンエンジンに勝るものではないが、出力の向上と走行可能距離の延伸が課題となっている。同日に行われた同乗試乗ではその加速感や走行のスムースさを体感したが、RX-8に期待するダッシュ力は未だ得られてはいなかった。水素ロータリーを搭載したモデルは、2年後までに限定的な市販(リースなど)を開始する予定だという。

 


■会員講師による勉強会
2004年8月24日(火) 虎の門パストラル(東京)

●持田幸武氏(RJC会員)による、「自動車に関連する数値」、「最近変更された法規」、「クルマに使われている電波など」について勉強会が行われた。概要は以下のとおり。乗用車の耐用年数はアメリカでは10万マイル(16万km)としている。DRL(ディライトランニングランプ=昼間点灯)について。北欧4ヵ国(スウェーデン、ノールウェイ、フィンランド、デンマーク)は1970年代に各国の法規で決められた。近年カナダでも法規制を実施。GPS、VICS、ETC、アダプティブクルーズコントロール(ACC)等に電波等が用いられているなど。

 


■「ダイハツの考える軽自動車」の勉強会・試乗会
2004年7月9日(金) ダイハツ工業主催 フルーツパーク冨士屋ホテル(山梨県)

●改めて「軽自動車を勉強したい」ということでダイハハツ工業にお願いし、試乗と勉強会の場を提供して頂いた。10台余りの試乗車をご用意いただき、FCVとMOVEスローパー(福祉車両)の展示を行い、同社取締役企画部長越田氏による「軽自動車の歴史とダイハツの考え方のレクチュア」、製品企画部チーフエンジニア福塚氏による「ダイハツ軽自動車の作りこみのお話」、E・HV開発部長北村氏による「ダイハツのFCV、HVへの取り組みについて」お話を伺った。ダイハツ軽自動車のラインアップを揃えた試乗は、改めて軽自動車の能力を知る機会が得られて良かった。また、ハイブリッド車の試乗に人気があり、ハイブリッド車担当者は終日休まる間も無く対応に追われる賑わいだった。

 


■自動車リサイクル法についての勉強会
2004年7月1日(木) 日本自動車工業会主催 日本自動車会館

●自動車リサイクル法は2005年1月から実施される。フロン、エアバッグ、ASR(自動車シュレッダーダスト)の処理を行う。その費用はユーザーが負担する。ユーザーは、新車購入時、車検時、廃車時のいずれかの時点で費用を支払う。ユーザーの負担額は車種によって異なり、その価格は各メーカーや輸入元などから発表される。二輪車、商用車架装物、環境負荷物質の全廃・削減については自主取組みになっている。

 


■ホンダ新技術勉強会
2004年4月26日(月) 本田技研工業主催 本田技研工業本社

●今秋発売が予定されるアキュラRL(北米)、レジェンド(日本)に塔載される四輪駆動力自在制御システム「SH=AWD」は、前・後輪の駆動力配分制御と後輪左右駆動力の独立制御によって四輪の駆動力を自在に制御するシステム。
これによってクルマの運動性能の飛躍的向上が可能となり、高度な操縦安定性の確保によって走行安全性に寄与するものと言われている。
 制御はアクセル・ハンドル・ブレーキの操作量をECUによって検出し、ドライバーの運転操作を判断する。これに伴ってエンジントランスミッションECUによって駆動力を算出、併せて横G、ヨーレイト、車輪速センサーによって走行状態を判断し、四輪の駆動力を最適に自在制御してクルマの運動性能を向上させるもの。 効果は後輪外側の駆動力を増大させて旋回内回りヨーモーメントを発生させアンダーステア傾向を低減。内回りヨーモーメントが発生することによって旋回性能が向上する。
 さらに、後輪左右LSD効果による直進安定性の向上、前後左右輪LSD効果による駆動性能の向上が見込めトータルに運動性能が向上し走行安全性に寄与すると言う。現車による確認は秋以降となるが、その効果の程に期待したい。

 


■スバル技術研修会
2004年4月25日(日) 富士重工業主催 スバル研究実験センター(SKC)

●先進安全自動車におけるスバルのひとつの取り組み、自律自動運転IVX-03が披露された。待機場所でスイッチをひと押しされた試作車は、コース内のハンドリング路(屈曲した周回路)を、ドライバーが操縦することなく見事に一周してみせた。途中、道路を横断する疑似歩行者を発見し、無難にいったん停止する芸当までやってのけたのだ。
 簡単に解説すると既にアウトバック等で装備されているADA(アクティブ・ドライブ・アシスト)を高度に進化させ、電動パワーステアリングと電動スロットル、そしてアクティブブレーキを自動制御するという物。
 ステレオカメラによる前方画像認識技術とミリ波レーダー、そして精度の高いGPS技術を協調させることで、自車の走行場所を誤差僅か5cm以下で認識し、予め指示した自動運転をこなしてくれる。現時点では、自動運転で近くのコンビニまで直ぐに行かせることはできないと言うが、制御技術がさらに進化し、データ蓄積容量と処理スピードが向上し、ナビゲーション技術とのさらなる協調が図られるようになれば、自動操縦のクルマが街を走り回る日ももはや夢物語ではないと思えたのが正直な感想だ。

 


■ボーズ・音楽のマルチチャンネル再生勉強会
2004年4月20(火)、21日(水) 主催ボーズインターナショナル

東京ボーズインターナショナル本社
●車載用のサラウンドサウンド・システムの推進に意欲的なオーディオメーカーのボーズ社での、試聴を中心にした勉強会。アメリカからシステム一式を携えて来日したエンジニアの解説で、種々の音源を元にした解説、および同じ曲のCDとDVDの違いを聞き分けるブラインドテストも行われた。
 会場となった部屋の広さに合わせて、1回の参加者は9人に限定され、2日間、3回に分けての、これまでとは異なる勉強会になった。

 


■首都高速道路公団・埼玉新都心線 見学会
2004年4月20日(火) 首都高速道路公団主催 高速大宮線工事現場

●埼玉新都心線は、高速5号池袋線と東京外環自動車道が交差する美女木JCTを起点として、新大宮バイパスを高架で北上し、与野JCTを形成した後、与野大宮大通線を地下構造で東進し、さいたま新都心へアクセスしている。都心とさいたま新都心を結ぶ重要な自動車専用道路。

 


■「マイバッハ」体験試乗及び「マイバッハセールスセンター」見学会
2004年4月17日(土) ダイムラー・クライスラー日本(株)主催

●ダイムラー・クライスラーが世界同一基準で設立している、マイバッハセールスセンターを見学。顧客はここでPLM(パーソナル リエイゾン マネージャー)と相談し、クルマの装備、仕様などを決める。同センターは一般公開されず、完全予約制となっている。
また、マイバッハの試乗は東京・六本木と目黒碑文谷を往復する形で、マイバッハ62と57に試乗した。

 

 


■日産自動車カレスト幕張と福祉車両の見学
2004年3月9日(火) 日産自動車主催 カレスト幕張(千葉県習志野市)

●カレストと言う大規模販売店は、かつての日産座間工場跡地にその第一号が作られた。全ての日産車が展示され、商談から整備、用品の販売、福祉車両の相談と販売など、従来の販売店の枠を越えた販売システムのトライアルがそこにあった。今回のカレスト幕張はその二号店ということで、さらに地域密着型を目指している。そうした核のひとつが福祉車両の展開、専用のコーナーを設け、福祉車両開発を担当するオーテックと連携したきめ細かいサービスの展開を特徴としている。
 今回、日産自動車としての福祉車両への取り組みの説明と、最近注目されている「ドライビングヘルパー」を装備した自操式福祉車両に試乗する機会が与えられた。今回は主に下肢に障害を持つ方の運転支援装置で、最新の電子制御スロットルにも対応するものまで用意されていた。カレスト幕張に設置されたテストコースを試乗するものだったが、日頃とは異なった運転感覚を味わい、こうした福祉関係の充実の必要性を感じた一日だった。

 

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