ルノー Renault
ルーテシア ルノー・スポール Lutecia R.S.

“スポーツ”のイメージを変えるセッティング。楽しむなら今のうちかも。

前モデル同様、前輪に装備されているダンパーのおかげで、突起などでのショッは少ない。ルノーの大きな特徴。他のモデルには例がない。

マニュアルで、ブレーキング中にダウンパドル(左)を引けばオーバーレブしないで多段階のダウンが自動でできる。(マルチシフトダウン)

フルLEDヘッドライト下にR.S.ビジョン。上がフォグ兼コーナリングランプ。下はハイビーム。チェッカーフラッグにたとえるエスプリ。


ギア・シフトの時間とプログラム、エンジン回転数などを3モードに変えることができるR.S.ドライブのスイッチはシフトの後ろにある。

シートの表皮の素材が変わり新しいR.S.ロゴが加わった。必要以上に強すぎないホールド感も座り心地も上々。さすがルノーである。

ルノースポール・カップのエンジン(200ps)はこれまでのR.Sと基本的に変わらない。トロフィーはその20psアップ。これも魅力的だ。


※画像クリックで拡大表示します。

 「シャシースポール」と「トロフィー」の2グレードだった「ルーテシア・ルノー スポール」に「シャシーカップ」を加えるとともにマイナーチェンジが施された。
 シャシースポールはベーシックグレードで快適性を重視。ただこのモデルは注文生産。シャシーカップは快適性と走行性能のグッドバランスを目指している。トロフィーはサーキット走行をメインに想定したモデル。「子供を乗せると泣くでしょう」とルノーは言う。
 でもこのトロフィー、性能的には素晴らしい。1.6ℓターボエンジンの最高回転数は他のモデルよりも300rpm高い6800rpm。最高出力は同様に20ps多い220ps。
 6速EDCの変速も30%速いという。ステアリングギア比も13.2とシャープだ。0-100km/h加速を6.6秒でこなし、最高速は235km/hに達する。が、今回の試乗に用意されていたのはシャシーカップのみ。だから以下はシャシーカップの解説が中心だ。
 マイチェンの内容はデザイン変更。どこが? 基本的にエクステリアである。フロントバンパーやライト類がすべてLEDになった。しかし! ちょっと見にはさほど変わった印象はない。よ〜く見るとヘッドランプ下側のランプの形状(ハイトコントロールや付き)が旧R.S.(ルノー・スポール)と異なるが、これは今年2月にデビューしたマイチェンジのモデルと同じだ。ちなみに、シーミーホーム機能とは暗がりでクルマを離れる際に、見送るように一定時間ランプを点灯してくれる機能。ノーマル・ルーテシアにも採用されていた。
 さらにしつこく……。フロントバンパー下部にある補助ランプ群のデザインが変わった! R.S.ビジョンと呼ぶそうだ。これはポジション、フォグ、コーナリング、ロングレンジのヘッドの各ランプの機能を持つ。チェッカーフラッグのように配された3個の小さなランプが並ぶ。
バネレートはスポール比で前が27%、後ろが20%ハードにセットされ車高は3㎜低い。

ローンチコントロールってカップにも必要ですか?
 ここで注目されるのがHCC(ハイドリック・コンプレッション・コントロール)と呼ばれるダンパーだ。競技車両用のオーリンズ・ダンパー並みの性能を持ちながら乗り心地も確保している。実際、そこそこハードなセッティングであることを考えれば乗り心地はいい。
 その理由は、フロントダンパー内にバンプストップラバーの代わりにセカンダリーダンパーが組み込まれていること。大入力に対して最適な減衰力が得られるのだ。ラバーと異なり反力を発生しない。トルコのサプライヤー製だというがこの効力大きい。日常ユースからワインディング(むしろここがメインステージだ)まで幅広く楽しく操れる所以だ。ライバルはポロGTIやプジョー208GTIだろうか。
 ちょっと気になったことがひとつある。それはスタート時の挙動を制御するローンチコントロールだ。
 これを効かすには①シフトレバー後ろにあるR.S.ドライブスイッチでSPORTかRACEを選び②ブレーキ・ペダルを踏み左右のパドルシフトを引く③アクセルとブレーキ・ペダル同時に強く踏み(アイドリング回転数が2500rpmにアップする)④ブレーキを離してアクセル・ペダルを強く踏む。すると、SPORTだとホイールスピンを制御しながら、RACEではすべてマニュアル対応でスタートする。
 操作によっては少し時間を要するものもある。試乗会で試すのは面白い。しかし、街中での信号GPは流行らない。そんなことやってたら「アホ!」と思われるのがオチだ。他人にどう思われようといいけど、ちょっと恥ずかしくありませんか。これを装着するのはトロフィーだけでいい。その分、カップの値段を下げてほしい。
 ルノー・スポールの楽しさを味わうには、シャシースポールで284万円、シャシーカップで309万円、トロフィーで329万円必要です。少々プリミティブだが、ほかのモデルでは味わえない痛快さを体験できます。
報告:神谷龍彦
写真:佐久間健

<神谷 龍彦> 最終更新:2017/07/16