BMW X4 xDrive 28i

スタイリッシュ4WD。X6ではなくX3の兄弟

神谷 龍彦



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ちょっと見にはX6の小型版のような印象を受けるけど、シャシーやプラットフォームはX3と同じ。サイズはX3より15㎜長く50㎜低い。幅は同じで1880㎜。そのクーペライクなシルエットからX6の弟分のような感じを抱かせるのは、サイズよりもスタイルによるところが大きい。当然X3よりスタイリッシュである。

BMWではこの手のモデルをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼ぶ。「アメリカ的なSUVとは違うぞ!」という誇りというか、こだわりというか、この自負の高さはプレミアムSUVの火付け役となったX5からあって(2000年)、当初からSUVをSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んでいた。それが、X6の成功で“クーペ”と呼ぶことにも自信をもったようだ。

BMWの開発陣というのは、他のドイツメーカーと少し違っている。話していても、その車好きぶりが窺われることが多い。以前、イタリアで行われた旧3シリーズの試乗会場に妙な形の車が2台置かれていたことがあった。 “そうか、ぼくたちが外誌のスクープで見たのはこれだったのか。それにしてもスクープ用のダミーまで飾るなんて”。この展示のさり気なさに興味と好感を抱いた。一種のおもてなしというか。それをBMWのエンジニアに伝えると、少し得意そうにニンマリしたものだ。

数々の最新技術に守られて安心ドライブ

日本導入されたX4のエンジンは2種類。2リッター直4ツインターボ(245PS/350Nm)と3リッター直6ツインターボ(306PS/400Nm)で、搭載モデルをそれぞれ28i、35iと呼び、Mスポーツも用意される。駆動方式はもちろん4WD、トランスミッションは8速スポーツAT。価格は674万〜790万円だ。

試乗車は28i、35iともにMスポーツが用意されていたが、ぼくは迷わず28iを選んだ。BMWのエンジンはスムーズさに定評がある。6気筒がいいのは当然だ。ぼくも昔、乗っていた。では、4気筒はどうか? この4気筒の歓迎ぶりはぼくの想像をはるかに超えていた。まるでモーターのようにムーズで、トルクもたっぷりある。エンジンノートも快適な音質と音量に抑えられている。通常走行では6気筒は必要ない。

乗り心地も“SUV”としてはフラットだ。コーナーでの体感ロールも少ない。しかも、X3よりも着座位置が20㎜低く、SUVにありがちな腰高感もほとんど感じさせない。瞬時に前後のトルク半分をコントールして、アンダーステアやオーバーステアに対応するxDriveの安心感も高い。出始めの頃は、特に低速で違和感のあったバリアブル・スポーツ・ステアリング(操舵量に合わせてステアリングのギア比を変え、高速安定性や回転半径を向上させる)もごく自然な印象に近づいた。ZF製の8速ATはマニュアルシフト用のパドル付き。Dレンジはスムーズ、マニュアルだとダイレクトが高い。

車内のスイッチでスポーツ・モードを選べば、トルクの太い高めのエンジン回転数を維持すると同時、操舵始めのボディの反応速度が速くなり少ない舵角で回れる。こうした装備は今やとくに珍しくないが、X4はスタンダードとスポーツの差がはっきりわかるように設定されていた。どうせ付けるならこれくらい明確な差がある方がいい。リアシートはクーペライクな外観からイメージするよりは広い。背もたれに身を委ねることもできる。“SUV”は確実に傍流ではなく今や主流のひとつになった。その中でもこのX4は、価格面を除けばベストに近い1台だ。

写真:佐久間 健

<神谷 龍彦> 最終更新:2014/09/30